掲載日:2020/08/19  更新:2020/09/02

アフターコロナに向けての、マイクロジムの主な対応

マイクロジムにおいては、拠点のある自治体の休業要請が解除され次第、営業を再開したところが多く、5月中旬からアフターコロナのフィットネスがスタートしている。

●売上半減によるキャッシュフローの確保(補助金、特別融資制度、助成金の活用)

●休会制度や有料チケット利用期間延長などに関する手配

●公式ホームページやSNSなどを活用した、営業自粛中の顧客接点の維持(オフライン・オンライン)

●感染予防のための設備・備品の設置

マイクロジムは、顧客とのエンゲージメントが築けているクラブも多く、経営者と現場が近いことから、環境の変化に合わせてスピーディで柔軟な運営体勢の最適化が図りやすい。この新コ禍を乗り越えつつあるマイクロジムの事例を紹介する。

ジムを個室化して営業を継続。オンラインを融合させたアフターコロナの運営体制を確立

【完全個室化&オンライン指導で、運営を継続】

 マイクロジムを全国に15店舗を展開するジムフィールドでは、三密にならない環境づくりができるパーソナルジムの強みを活かして、ウィズコロナ期も9割方営業を継続した。ジムスペースは、以前は複数のパーソナルセッションを同時進行していたが、完全に個室として位置づけ、完全予約制で受付。メンバーが、ジムまたは自宅でセッションが受けられる体制を整えた。メンバーがジムでセッションを受ける場合は、トレーナーは別の部屋からオンラインで指導する。セッション間には十分に換気し、メンバー同士や、トレーナーとの接触がないように配慮した。 緊急事態宣言が全国に広げられたタイミングで、オンライン会員制度もリリース。リアルのジム会員と同じ価格体系で、既存メンバーの有料チケットもそのまま利用できるようにした。同時に、特別休会制度を設けて、休会中の回数券は復会後2ヶ月間有効として、メンバーが安心して休会できる環境を整えるとともに、休会中でもSNSなどで各種情報を届けてメンバーとの繋がりを維持した。
 ジムフィールド代表の郡勝比呂さんによると、緊急事態宣言中、売上は半減したものの、6月1日から全店営業を開始し、休会中維持されていた有料チケットを利用してのパーソナルセッション予約が急増。「仕事は増えているものの、売上に繋がらない」と話すが、新規会員も増えており、数か月以内にはビフォーコロナの売上に戻る見込みが出てきたという。

【オンラインレッスンを事業化へ】

 パーソナルトレーニングと並行して、ジムの営業自粛中にスタートしたのが、ライブでのグループレッスンの配信だ。週間スケジュールを組み、月会費制を前提にした無料お試し期間として5月3日からzoom配信をスタート。最初にLINEで友達申請してもらうことで、顧客情報を確保するとともに、無料配信するレッスンをアーカイブして、有料化した際にオンデマンドで利用できる付加価値のコンテンツとして蓄積していった。
 約1ヶ月無料配信をして、LINEの登録者が1,500人を超えた6月上旬、緊急事態宣言も解除されるエリアが増えて「新たな生活様式」という言葉がメディアを度々目にするようになる環境の変化に合わせて、同サービスも「新生活応援キャンペーン」として、有料化に踏み切った。キャンペーン内容は、6月末まで入会すれば、入会金10,000円⇒0円、月会費2,980円⇒1,980円という内容。有料会員は、月180本のライブレッスンと、約800本のアーカイブしたレッスンを利用できる。有料化して数週間の現在(7月7日時点)、約100名が有料会員に登録。ブレークイーブンの250名を目標に、キャンペーン期間を8月末まで延長して、販促を強化している。
 このライブレッスン事業単体では、まだ黒字化には至っていないものの、ジムフィールドとして展開するその他の事業を後押ししている。
 まず、パーソナルトレーニングを価値の中心に置いているジムフィールド会員の補足トレーニングとして、オンラインレッスンを活用。ジムフィールド会員は、有料オンラインレッスンが受け放題かつ、毎月開催されるイベントプログラムキャンペーン価格で参加できる。
 また、代表の郡さんが、人気Q&Aサイト「オールアバウト」で「男のダイエット・ボディメイクガイド」をしていることをきっかけに、法人フィットネス向けにもコンテンツを提供してきているが、リモートワークが浸透する中、「オンラインフィットネス」がメディアなどでも取り上げられ、フェイスブック社をはじめ、大手企業からの法人フィットネスコンテンツ提供のオファーが増えている。
 さらに、トレーナー兼マイクロジムオーナーとして、環境変化に柔軟に対応する数々の施策が注目されて、大手トレーナー育成団体NESTAJAPANからもオファーもあり、ファカルティとして活動することが決まった。オフラインとオンラインを融合させたトレーナーとしての起業モデルを、広く啓発していくことが計画されている。

【アフターコロナのマイクロジム経営・運営の課題と展望】

 マイクロジムは、パーソナルトレーニングが三密を回避しやすい運営形態であることや、オンラインでの指導にも移行しやすいことから、オンライン・オフラインを融合させた、新しいマイクロジム経営・運営体勢への移行が進められた。
 ただ、オンラインレッスンだけを見れば、6月以降、大手クラブやIT企業の参入が相次ぎ、一気に市場がレッドオーシャン化しつつある。資本力に劣るマイクロジムのオンラインレッスンの事業化には、相応の戦略が必要となっている。
 郡さんは今後の展望についてこう話す。「オンラインフィットネス市場が急拡大して、生活者に急速に浸透していることは、フィットネス指導者にとっては新しいチャンスであることは変わりません。特にパーソナルトレーニングだけをしてきた指導者は、オンライン指導を始めることで、口頭でのキューイングや、フォローアップキューを確実に上達させることができます。これは、グループでの指導力向上に繋がります。今回の緊急事態宣言で休業期間が得られるとともに、持続化給付金を得て、時間もお金もあるフィットネス指導者の方も増えています。この時間とお金をいかにつかうかで、アフターコロナに大きな差が出てくると感じます。新しい取り組みは、必ずしもすぐに仕事や売上に繋がらず、不安になることもあるかもしれません。でも、どちらにしても将来に不安を感じる今は、勇気をもって、お金も時間も新たな挑戦に投資していきたいですね」


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