掲載日:2020/09/10  更新:2020/09/11

リモートワーカーのフィットネス定着策【2】

<株式会社StrongBonds>
企業のビジョン実現をフィットネス専門家の視点からサポート

「食」と「運動」のコンテンツでタッチポイントを広げる

 株式会社 Strong Bonds(以下、ストロングボンズ)は、優秀なパーソナルトレーナーを数多く擁し、大手フィットネスクラブを中心に事業を展開してきている。創業当初より『デリバリートレーニング』と称する出張トレーニングも展開しており、企業や団体への提供実績も多い。中でもコロナ禍で拡大したのがキユーピー株式会社(以下、キユーピー)との取り組みである。
 ストロングボンズ代表取締役の岩田諭さんは、2018年からキユーピーで『食と運動アドバイザー』として社外への健康情報の発信や、社内での従業員向け健康講座を務めている。 取り組みの一つとして、同社公式ページの「とっておきレシピ」に、フィットネス専門家としてレシピコンセプトを提案。今年6月にフィットネスに興味をもつ顧客向けの健康特集レシピを公開した。
 キユーピー本社勤務の従業員も半数がリモートワークに切り替わり、外出自粛が長びく中で運動不足が懸念された。そこでキユーピーでは社内向けにも上記の健康特集レシピを発信、運動面ではストロングボンズによる自宅でも簡単に実施できる運動動画の配信をスタートさせた。「在宅勤務が増えてむくみが気になっていた。むくみ解消にさっそく実践した」(女性/40 代)「外出自粛が続き、毎日400歩程度しか歩いていない。これを機に意識したい」(男性/40代)」などの声が寄せられている。
 岩田さんは、キユーピーとの取り組みについてこう話す。「キユーピーは、健康長寿に大切な柱である『食』『運動』『社会参加』の三位一体を掲げ、推進をしています。だからこそ我々のような運動指導者との取り組みをいち早く開始し、社外への発信と社員への健康への意識付けを推進しています。この事例は、リモートワークが増えていく世界の企業が今後取り組むべき課題になると考えています。就労者層が健康を維持し、世界経済を回して行かなくてはならない中で『食と運動』による医療を使わない健康管理が社会全体へ大きく影響を及ぼすことになります。だからこそ我々運動指導者やフィットネスに関わる人の新たなサービスが今後期待されているのです。フィットネス業界は変革するチャンスにあると私は考えています」

オンラインから、オフライン、コミュニティで定着に繋げる

 コロナ禍でフィットネスクラブ会員の減少・休会が相次いだ一方、パーソナルトレーニングの顧客の戻りは比較的スムーズである傾向が見られている。それは人が関わり、お客様との信頼関係がしっかりと築けているかどうかが大きい。パーソナルトレーニングはトレーナーにもよるが10年以上継続している顧客を持つトレーナーも多いと言う。そして、「パーソナルトレーニングのお客様はトレーナーに付きます。プログラムや会社ではないです」と岩田さんは指摘する。
 今後、リモートワーク等により益々外出の機会が減る。それにより外出をするハードルは更に高くなるため、人が関わる対面式サービスの価値を相応に高めていく事は必須となる。
 今回取材した岩田さんは、世界42か国で参加者数100万人以上と世界をリードする世界最高峰の障害物レース『SPARTAN RACE(スパルタンレース)』のオフィシャルコーチ(SGX)という顔もある。緊急事態宣言中の5月に世界同時バーチャルレースが開催され、開催前のオンライントレーニングも実施してサポートしていた。日本からも500人以上がエントリーし、大盛況だった模様。こうしたコアな顧客層を取り込みながら強いコミュニティをつくっていくことも信頼関係を築く上で必要だ。オンラインでのコミュニテイを維持拡大することで、自粛が解除された後、リアルな場でのレース再開時に新たな顧客が増えていたり、以前以上の高い参加モチベーションと、高い体験価値をもった顧客を増やせることになる。

リモートワーカーの生活様式に合わせてオンラインの新市場開拓へ

 ストロングボンズでは、高齢者の元気が日本を救う!をテーマに5~6年前からYouTubeチャンネル「高齢者体操TV」を配信している。「高齢者体操TV」はコロナ禍以前から一定の支持を受けていたが、外出自粛が始まってからチャンネル登録者数は、月約300人のペースで急激に増えてきているという。今後リモートワークが増えることでさらに健康を意識した動画コンテンツへの需要が拡大し、自宅や屋外で運動をする人が増えることが考えられる。
 そこでストロングボンズでは2020年9月に新しいオンラインフィットネスサービス『健康の学校?ER-Body(エールボディー)』をリリースすることを計画している。本サービスは40~60歳代を対象に『本当の健康づくり』をテーマに学びと運動実践の両局面から自然に健康を手に入れられる動画配信サービスである。岩田さんは言う「将来介護になりたい人はいない。でも介護予防のために日々健康に良いことを実践している人は少ない」と。
 アフターコロナでリモートワーカーが増え、社会全体の生活様式が変わり、彼らに届くサービスの種類も増えていく。パーソナルトレーニングにおいては従来の直接対面型の指導が最上級サービスとなり、オンライン(VRを利用した)でのパーソナル指導や、動画配信(YouTube含む)を見て身体を動かすことが一般的なスタイルになる日もそう遠くはないと岩田さんは言う。ストロングボンズでは『本質』を見抜き、新しいコンテンツ提供やコミュニティの創出など、フィットネスの市場ニーズに応えられるチームづくりを進めている。

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