掲載日:2020/09/18  更新:2020/09/18

リモート世代キッズのフィットネス定着策【1】

キッズフィットネスのアプローチは親世代への確かなフィットネスの価値訴求から

キッズフィットネスは、親世代の心の健康づくりが鍵

 パーソナルトレーナーの資格認定団体のNESTAは、キッズ向け指導者として、「キッズコーディネーショントレーナー」「キッズハイパフォーマンススペシャリスト」「キッズカーディオ&ウェイトトレーナー」という3つの資格取得コースを日本で展開している。
 NESTA本部がある米国では、子どもの年代や発達段階別に細分化したコースが10コース以上あり、細分化されたニーズに対して的確な指導サービスが提供されることが価値となり、フィットネスに対する認識や価値観が育っていることがフィットネス業界やスポーツ業界の発展に繋がっている。
 こうしたフィットネスに対する価値認識もあり、米国ではコロナ禍による外出自粛や感染防止策が日本より強化される中で、オンラインフィットネスの市場規模が拡大している。
 米国でのフィットネス市場動向にも精通するNESTA JAPAN代表の東山暦さんは、新しい生活様式におけるキッズフィットネス浸透へのアプローチとしてまず挙げるのが、親世代へのフィットネスの価値訴求である。特にメンタル面でのサポートに焦点を当てる必要があると話す。
 「長引くコロナ禍の影響で、心が風邪をひいてしまっている人が多くいます。リモートワークによる環境変化と、見えないウイルス感染への不安、今後の社会や経済状況が見通せない中、気持ちの整理ができないままに自粛生活を送っている人も多くいます。子どもは、大人より観察力が優れていますので、親の不安や疲れにも敏感に影響を受けています。外出自粛による運動不足から健康意識が高まってきていますが、新しい生活様式の中で身体を動かしたり、活動的な生活習慣をつくるには、まず脳や心へのアプローチが大切です。こうした状況を踏まえて、NESTAでは、『マインドフルネス』に関する資格も準備しているところです」

トレーナーが勝負すべきフィールドは、オフラインのコミュニティ

 米国では、冒頭に書いたとおり、フィットネスへの価値観が育っていることもあり、外出自粛中に、生活必需品としてオンラインフィットネス市場が急拡大した。親世代にオンラインフィットネスが浸透することで、自宅でフィットネスコンテンツに触れられる機会が増え、ファミリーやキッズにもフィットネスが浸透してきている。
 東山さんは、この動向からも、日本でのキッズフィットネス推進には、まず親世代の理解が必要になることを指摘する。
 「米国でも健康意識の高まりから、フィットネスを始める人も増えています。ただそれとともに安易にフィットネスコンテンツを配信する人も増え、オンラインフィットネスの信頼度が低下してきている傾向も見られます。オンラインでは『目立てばいい』と、本質的でない訴求や、間違っている情報さえ配信している人も多く、生活者もそれに気づきはじめています。また、オンラインレッスンの継続率は、『平均3.5回』という調査結果もあります。そんな中で、米国ではふたたびリアルの場が見直されており、オープンエアのガレッジフィットネスが流行り始め、フィットネスの『ソーシャルな場』としての価値が見直されています。つまり、フィットネス継続のモチベーションとして、社交への強いニーズがあることが分かります。また、そこに専門性の高いトレーナーによる指導があることで、フィットネスの価値が高く認知されれば、市場規模は拡大していくはずです。トレーナーは、マイクロジムやスモールグループトレーニングで、こうした社交ニーズや専門性のニーズに応えていくことで、アフターコロナに向けて活躍の場は益々広がるはずです」
 日本でも、新コ禍以前にメンバーとの関係やメンバー同士のコミュニティがつくられていたジムやクラブの顧客は戻りが早い傾向が見られている。オンラインでフィットネスを始めた人の定着率を高め、市場の拡大につなげていくためにも、社交やコミュニティの重要性は高まっている。
 リモート世代やキッズフィットネスの定着に向けて、トレーナーは、自身の専門性を棚卸し、その専門性で応えられる顧客ニーズに、オンライン・オフラインを通じて的確にコミュニケーションしていくことが重要だ。同時に、オフラインでのソーシャルの場を創造したり、社交やコミュニティのニーズにも応えていくことで、新しい生活様式で生まれる新たなフィットネスニーズに応えていけることになる。
 NESTAでは、こうした新しいニーズに応えられるトレーナーの育成サポートプログラムも今後拡充していくことを計画している。

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