掲載日:2021年02月11日  更新:2021年02月11日

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「健康運動指導士」の資格を取ろう!

フィットネスクラブやスポーツジム、病院、福祉施設等での運動指導者の求人情報の応募要件でよく見受けられる「健康運動指導士」の資格。認定団体や試験受験の要件、資格取得までの流れについてまとめました。

健康運動指導士とはどのような資格?

健康運動指導士とは、個々人ごとの心・身体の状態に応じてその方に合うよう、安全で効果的な運動を行うための運動プログラムを作成し運動指導を行う者を指します。この点ではアスレティックトレーナーに近い資格であるとも言えます。
健康運動指導士は、公益財団法人 健康・体力づくり事業財団によって認定されている民間資格です。
もともと昭和63年(1988年)に厚生労働大臣の認定事業として誕生したもので、平成17年(2005年)までその認定制度が継続しました。平成18年(2006年)以降は健康・体力づくり事業財団独自の事業として資格認定制度が継承されています。
資格制度が発足した背景には、高齢化だけでなく生活習慣病の患者が増えつつある現代社会において、医療費の抑制や生活習慣病の予防(一次予防・二次予防)、健康水準の増進を図る目的がありました。
例えば健康運動指導士と理学療法士や作業療法士が同じ施設にいた場合、理学療法士や作業療法士がリハビリのプログラムを考え、健康運動指導士が対象者に寄り添って運動指導を行う、というのが現場における連携のイメージになります。予防医療としての運動処方も重視されている現代において、理学療法士や作業療法士のかたが健康運動指導士の資格を取得し、運動に対する知識を深めることもとても大事であるといえます。また、健康運動指導士の資格を取得することにより活動するフィールドの拡大が可能となります。企業内での運動セミナーなどは健康運動指導士ならではの活躍の場でしょう。健康運動指導士で運動の話をしつつ、理学療法士や作業療法士としての話をすることで、自分の価値を高めることも可能でしょう。取得を目指してみてはいかがでしょうか。

健康運動指導士の資格を活かせる仕事・職場は?

認定団体である健康・体力づくり事業財団によると、健康運動指導士は「保健医療関係者と連携しつつ安全で効果的な運動を実施するための運動プログラム作成及び実践指導計画の調整等を行う役割を担う者」と定義されています。
運動施設、フィットネスクラブにおけるアドバイザー的な役割に加え、介護施設や病院等での活躍も期待されています。
健康運動指導士としての登録されている方の職場はフィットネスクラブ等が約22%、病院等が約16%、次いで介護老人保健・福祉施設等が約7%となっており、スポーツやフィットネスの現場に加えて、介護保険施設や介護予防事業の現場で活躍される方が増加傾向にあるそうです。(2020年3月時点データ、出所:公益財団法人健康・体力づくり事業財団ウェブサイト)

近年は高齢化により、特にデイサービス等の施設でのニーズが高まっています。ここで注意したいのが、自治体によってデイサービス等の施設での運動指導者の必須資格はそれぞれ異なっている点です。以前は健康運動指導士の資格を必須としている自治体が大半でしたが、健康運動指導士は4年制大学卒業が実質的に資格取得要件となっていることから現場ニーズに対して実際の人材確保が難しくなっています。そのため、近年は介護予防運動指導員資格等を必須とする自治体も増えています。求職のための資格取得を検討する場合には、勤務を希望する事業者に、勤務地の自治体で必須としている資格は何かあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

健康運動指導士の資格を取るには

資格取得の流れ

健康運動指導士の資格を取る流れは下の通りです。

健康運動指導士養成講習会を受講する
または 健康運動指導士養成校の養成講座を修了する
  ↓↓↓
健康運動指導士認定試験に合格する
  ↓↓↓
健康運動指導士として登録する

受験資格について

健康運動指導士認定試験の受験資格は、
 ・健康運動指導士養成講習会を受講済である
 ・健康運動指導士養成校の養成講座を修了している
上記のいずれかの要件を満たしていることが必要です。

健康運動指導士養成講習会の開催スケジュール、および認定を受けている健康運動指導士養成校は健康・体力づくり事業財団のウェブサイト(http://www.health-net.or.jp/)より参照いただけます。

健康運動指導士養成講習会の受講資格・必要単位

 受講資格により、必要単位数が異なります。具体的には下記となります。

(40単位)
健康運動実践指導者の資格保有者、または日本体育協会認定 スポーツプログラマー、アスレティックトレーナー、フィットネストレーナーのいずれかの資格保有者
(51単位)
4年制体育系大学の卒業者(卒業見込みを含む)
(70単位)
医師、保健師、管理栄養士の資格保有者
(104単位)
4年制以上の大学卒業者で、以下の国家資格保有者(歯科医師、看護師、准看護師、助産師、薬剤師、栄養士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、理学療法師、作業療法士、臨床検査技師)

上記はすべての単位が必須単位となっており、運動実習が含まれているため、妊娠中の方や運動できない方、プールに入れない方は受講を遠慮してほしいとなっています。

また、運動系の資格であるため、運動に関連した勉強をしている場合に必要単位数も少なくなる傾向があります。講習会を受講し単位を取得することにより、試験を受けることが可能となります。

健康運動指導士養成校とは?

全国約80の大学および国立障害者リハビリテーションセンター学院で、保健体育の教員免許状の付与が可能な大学で、健康・体力づくり事業財団の認定を受けている学校です。全国約80の大学が認定を受けています。(2019年4月時点)

健康運動指導士 試験について

 健康運動指導士試験は筆記試験となっています。
 健康運動指導士認定試験は全75問で構成されており、試験時間は2時間(120分)です。マークシート方式で、全て四肢択一(もしくは組み合わせで2つを選択する問題もある)の形式です。
 試験問題の出題範囲は、は健康運動指導士養成講習会テキスト(上/下巻)からの出題となっています。
 合格ラインは、75問のうち45問正解(60%正解)です。
 他の資格と同様、5年ごとに更新が必要で、更新時は講習会に出席し必要単位を取得することが必要です。

まとめ

 健康運動指導士の資格を持つことにより活躍できる場はフィットネスの現場のみならず、病院、老人福祉施設等と幅広くなりつつある傾向があります。正しい知見に基づいた運動を伝えることによって健康づくりのサポートがしたい、そのような志の強い運動指導従事者の方は、自らの活躍の場を拡げていくためにも取得にチャレンジされてはいかがでしょうか。

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