掲載日:2021年02月11日  更新:2021年02月11日

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フィットネス関連の代表的な資格にはどのようなものがある?

フィットネスクラブやスポーツジムの現場で活かせる資格について、「スタジオレッスン関連」「トレーニング関連」に分けてそれぞれご紹介します。

フリーランスのパーソナルトレーナーとして活動の場を探す際に、大手フィットネスクラブや24時間ジム等での業務委託パーソナルトレーナーの募集要項には取得を必須とする資格が明示されているケースが殆どです。活動拠点としたいクラブ・ジムが明確である場合には、予めその内容をチェックしておきましょう。主なパーソナルトレーナー資格をご紹介します。
「NESTA-PFT」
認定団体であるNESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)は米国のカリフォルニアに本拠地がある団体です。NESTAの「PFT認定(パーソナル・フィットネストレーナー認定)」はメジャーでオーソドックスな資格として認知されています。認定にあたっては、「身体に関する幅広い知識」「科学的根拠に基づく高度な指導技術」「クライアントとのコミュニケーション」「顧客を獲得するためのビジネススキル」について、学習および認定試験を行います。
「JATI-ATI」
2006年に設立の特定非営利活動法人日本トレーニング指導者協会(JATI)が認定しているトレーニング指導者資格です。JATIの認定資格は「トレーニング指導者(JATI-ATI)」「上級トレーニング指導者(JATI-AATI)」「特別上級トレーニング指導者(JATI-SATI)」と3つあり、最も基礎的な資格がこのJATI-ATIとなります。JATIに入会後、講習会を受講、認定試験で合格すると資格を取得という流れになります。合格率が比較的高く、取得しやすい資格とも言われています。知名度も高く、独学での資格取得を目指す場合、まずはJATI-ATIの勉強からスタートするのがおすすめです。
「NSCA-CPT」
全米ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)の認定している資格で、歴史があり最も知名度が高いパーソナルトレーナー資格とも言われています。NSCA認定にはこの「NSCA-CPT」と「NSCA-CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)」の2つがあります。前者は広く一般の方向けに健康増進や体力向上の目的に即した運動指導を行う専門的能力をもつ人材を認定し、後者は主にアスリートが対象で、傷害予防とパフォーマンス向上を目的としたプログラムの提供可能な人材を認定するという違いがあります。NSCA-CPTは取得の難易度の高い資格と言われますが、受験にあたり講座の受講が必須ではないため、独学で合格を目指したい取り組みたいという方には制度面でのメリットがあります。

ケア・コンディショニング系の資格

代表的な国家資格をご紹介します。
「理学療法士(PT)」
理学療法士は、医師の指示のもと、身体に障害のある方に対して日常の生活に必要な動作機能を運動療法や物理療法などで回復させていく役割を担います。リハビリのプロとして、チーム医療の現場やスポーツ分野、保健福祉分野が活躍の場となります。英語名の「Physical Therapist」を略し「PT」と呼ばれることもあります。
理学療法士の国家試験は、厚生労働省が実施しています。国家試験の受験資格は、高校卒業後に文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した養成施設(4年制大学、3年制の短期大学、3・4年制の専門学校、視覚障がいをもった人が対象になる特別支援学校)で3年以上学んで得ることができます。
「作業療法士(OT)」
理学療法士が基本的な動作能力を回復させるのに対し、作業療法士は、身体や精神に障害のある方に対して、作業活動を用いて日常の細かな応用動作能力の改善を図ります。対象は、脳卒中などで身体に障害のある方のほか、うつ病や自閉症、認知症の患者の方などです。英語名の「Occupational Therapist」を略し「OT」と呼ばれることもあります。
作業療法士の国家試験は、理学療法士と同様に厚生労働省が実施しています。国家試験の受験資格は、高校卒業後に文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した養成施設(4年制の大学・専門学校、3年制の短大・専門学校)で3年以上学んで得ることができます。
「柔道整復師」
柔道整復師は国家資格で、国家試験は厚生労働省が施行し、試験に関する事務は公益財団法人柔道整復研修試験財団が行っています。国家試験の受験資格は、高等学校卒業もしくは高等学校卒業と同等の資格を取得し、柔道整復師養成施設として認められている専門学校・大学における必要科目を履修することにより得ることができます。試験は毎年3月上旬に年1回実施され、マークシート形式の筆記試験です。合格後に手続きを経て柔道整復師名簿に登録すると、柔道整復師の免許の取得となります。
柔道整復とは脱臼、骨折、打撲、捻挫などに対し非観血的(出血を伴わない処置)にその回復を図る施術を行うもので、柔術に端を発する日本古来の伝統医療です。ケガに対して外科手術で対応するのではなく、手技療法・運動療法・物理療法・指導管理を行い、ヒトの持つ自然治癒力を最大限に発揮させる施術です。自らの判断でケガの応急措置などができます。資格取得後は接骨院などの開業をはじめ、病院での勤務やスポーツトレーナー、機能訓練指導員など幅広い分野での活躍が期待されます。
「鍼灸師」
鍼灸師になるには国家資格が必要です。国家試験を受験するための要件は、鍼灸系専門学校もしくは鍼灸学科のある4年制大学、または3年制短大を卒業する必要があります。試験は毎年1回実施されています。「はり師」と「きゅう師」は、別の資格となるため2つの資格試験の受験をすることになります。国家試験は厚生労働省が施行し、試験に関する事務は公益財団法人東洋療法研修試験財団が行っています。
「あん摩マッサージ指圧師」
あん摩マッサージ指圧は、中国より伝来したあん摩、ヨーロッパ発祥のマッサージ、日本で独自に生まれた指圧、この3つの手技療法を総称した名称です。手技のみで筋肉の緊張をほぐしたり、血行を良くしたりすることで、病んだ心と身体を癒してQOLの向上を図ります。
あん摩マッサージ指圧師は、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」によって定められた医療系の国家資格です。国家資格を持たずに勝手にあん摩マッサージ指圧師と名乗り、あん摩、マッサージ、指圧を用いた治療を患者に施すことは法律で禁止されています。なお、類似の職業として「整体師」や「マッサージ師」がありますが、これらは国家資格を必要としません。
国家試験の受験要件は、国家試験を受験するための要件は、文部科学大臣の認定した学校もしくは厚生労働大臣の認定した養成施設において3年以上、必要な知識及び技能を修得した者等とされています。試験は毎年2月に実施され、国家試験は厚生労働省が施行し、試験に関する事務は公益財団法人東洋療法研修試験財団が行っています。

フード・栄養関連の資格

パーソナルトレーナーやインストラクターの方がお客様の健康づくりのアドバイスをするにあたり、運動だけでなく栄養摂取に関する助言を行うことは欠かせません。フィットネスの現場で活かせるフード・栄養関連の資格についてご紹介します。

栄養士・管理栄養士

管理栄養士資格は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格です。病気を患っているかたや高齢で食事の摂取が困難なかた、健康なかた、ひとりひとりに合わせて専門的な知識・技術を持って栄養指導栄養管理などを行います。
栄養士は都道府県知事の免許を受けた資格で、主に健康なかたを対象にして栄養指導や給食の運営を行います。
管理栄養士や栄養士の受験資格を得るには、高校卒業後に管理栄養士養成課程もしくは栄養士養成課程のある大学・短期大学・専門学校の所定の専門課程を卒業することが必要となります。

民間資格(アスリートフードマイスターなど)

「栄養コンシェルジュ」
栄養コンシェルジュ資格は、一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会により認定されています。管理栄養士、運動指導者、医療従事者らが共同し創設した栄養学習プログラムを修了すると栄養コンシェルジュとしての認定を受けることができます。「現場で活用する」ことに重点をおいて創設された学習プログラムで、栄養の知識を身に付け、食品の栄養情報を評価したり身体の状態を即座に把握する技術を身に付け、現場で効果的に栄養サービスとしてアウトプットする実践的な学習内容となっています。
「アスリートフードマイスター」
アスリートフードマイスターは、株式会社アスリートフードマイスターが認定を行なっている資格です。アスリートのパフォーマンスを最大化するために、最適な食プログラムを提供できるようになることを目指す資格です。
「アスリート栄養食インストラクター」
アスリート栄養食インストラクターは、日本インストラクター技術協会(JIA)が認定を行なっている資格です。スポーツ選手に必要な栄養と食事、減量や増量のコツ、弁当を用意するポイント、サプリメントの正しい使い方などを身に付けることを目指す資格です。
「スポーツフードマイスター」
スポーツフードマイスターは、日本安全食料料理協会(JSFCA)が認定を行なっている資格です。スポーツ栄養の基本から毎日の献立・レシピなど実践レベルまで身に付けることを目指す資格です。
「スポーツフードアドバイザー」
スポーツフードアドバイザーは、日本能力開発推進協会(JADP)が認定を行なっている資格です。「スポーツフードアドバイザー養成講座」を受講し修了することで、受験資格を得ることができます。アスリートの栄養管理に必要な知識や、試合のための食事レシピや食事指導などはもちろんスペシャリストとして必要な能力を身につけることを目指す資格です。

代表的なフィットネス分野の資格認定団体

NESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)
米国カリフォルニアに本拠地を置くパーソナルフィットネストレーナーの資格認定団体です。1992年よりトレーナーとフィットネスに関わる人材教育を行い、 約6万5千人のメンバーと約7万人のパーソナルトレーナーを全米で育成し(2020年時点データ)、世界80カ国でNESTAの資格を持ったインストラクター、トレーナーが活躍しています。世界のフィットネスクラブ総合ランキング(規模・売上)TOP20の中に入る米国の企業の8割が、NESTAのプログラムを導入しています。
NSCA(National Strength and Conditioning Association)
NSCAは、ストレングストレーニングとコンディショニングに関する国際的な教育団体として1978年に設立されました。現在では世界88の国と地域において会員が活動しており、最先端の情報を世界中に配信し続けています。NSCAの使命の中心にあるのは、科学者とスポーツ現場の指導者との橋渡しです。ストレングストレーニングとコンディショニングの分野に関する新しい研究の実用化を目指すことで、トレーニング指導の専門的職業としての発展を促進しています。
JATI(特定非営利活動法人日本トレーニング指導者協会)
JATIは日本で発足したトレーニング指導者教育団体です。オーソドックスとされる従来のトレーニング理論は海外で提唱され日本に伝わったものが大半を占めていましたが、JATIは全世界から情報を収集し、日本人や日本の環境に適したトレーニング法や指導法、トレーニングシステムなどを構築しています。日本人と欧米人では、骨格やパワーなど様々な身体の前提条件の差異があります。そこで、日本人に合ったトレーニング理論を構築し、それを提供できるトレーナーの資格認定をJATIは行っています。
公益財団法人 健康・体力づくり事業財団
健康運動指導士および健康運動実践指導者の資格認定を行っている。厚生労働省の「国民健康づくり対策」や文部科学省の「生涯スポーツ・体力つくり」などの国の健康・体力づくり施策に沿い、民間団体の立場から、それらの施策を具現化するための事業を推進しています。少子・超高齢社会を健康で活力あるものとしていくために、一次予防による健康増進を重視し、個人の生活の質を高めるような健康づくりへの取り組みを行っています。

まとめ

フィットネスに関連する資格、フィットネスの現場で活かせる資格は、健康を中心に考えた時に非常に多岐にわたり数多くあるため、資格取得を検討する際には目的を明確化し、それに見合った資格を選定するのが効率的となります。内容に加えて費用や取得期間、通学の有無などの取得の条件や、その資格を類似資格と比較し、どのようなコンセプトに基づき認定されるものなのかを把握した上で受講・受験を決めましょう。

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