掲載日:2021年06月13日  更新:2022年03月27日

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理学療法士の専門性と他の種類の医療資格との違いは?

理学療法士は動作の専門家として、対象とする人の動作を細かく分析して、問題があればリハビリテーションを通して改善させることを得意としています。
それでは、理学療法士と共にリハビリテーションを担う専門職である作業療法士や言語聴覚士とはどんな仕事なのでしょうか?
作業療法士や言語聴覚士の紹介や理学療法士との違いやその他の医療職について解説していきます。

理学療法士の資格と専門性にはどんな種類があるの?

理学療法士は厚生労働大臣から認可を受けた国家資格であり、リハビリテーションの専門職です。
理学療法士が理学療法全般の知識・技術の他に特化した専門性には、いくつか種類があり、対象となる病気や働いている施設の環境によっても違います。

理学療法士とは?

理学療法士とは、運動学の専門家であり、日常生活からスポーツの場面まであらゆる動作を分析・把握をして、改善のためのリハビリテーションをしています。
理学療法士には身体機能を向上させるだけでなく、必要に応じて生活環境の改善や歩行補助具の提案など広い視野を持った専門的なアプローチが求められます。

理学療法士が得意とする専門性

現場で働く理学療法士が持つ専門性には、所属している病院や施設の特性によって、違いがあります。
理学療法士が専門性を発揮する代表的な領域は以下の5つです。
・関節・筋肉を対象とする整形外科領域
・脳梗塞によるマヒや感覚の障害が対象の脳神経外科領域
・呼吸や心臓などの循環器を対象とする領域
・介護保険における在宅や介護予防の領域
・スポーツ場面に関わる領域
どのような専門分野でも、理学療法の目的である関わる人のQOL(生活の質)の向上を目指す点は共通しています。

理学療法士になる方法と難易度

理学療法士になるためには、理学療法学科を有する大学・短期大学もしくは専門学校で決められた単位を取得し、卒業した後に毎年1回実施される理学療法士の国家試験に合格する必要があります。
過去5年間の理学療法士の国家試験合格率は以下の通りです。(厚生労働省HPより)

(受験者数・合格者数・合格率)
2020年 12,283人・10,608人・86.4%
2019年 12,605人・10,809人・85.8%
2018年 12,148人・9,885人・81.4%
2017年 13,719人・12,388人・90.3%
2016年 12,515人・9,272人・74.1%

国家試験の合格率は、例年高い水準で推移しているため、十分な準備をして臨むことができれば、合格可能な難易度といえます。

理学療法士が関連する多職種の資格の種類

理学療法士が最も関連している医療の専門職は、作業療法士と言語聴覚士の2つであり、ほとんどの施設では3つのリハビリの専門職をまとめてリハビリテーション科としています。
その他にも、医師や看護師、臨床検査技師、放射線技師、ケアマネージャーなどの専門職とチームで医療を進めるケースがあります。

リハビリ専門職・作業療法士

作業療法士(OT)とは、食事やトイレ、入浴や料理をしたり字を書くなどの日常生活をスムーズに過ごすためのリハビリテーションを行う専門家です。また、認知症や精神疾患を対象とするリハビリテーションの分野でも活躍しています。
理学療法士は身体の大きな動きを対象とするのに対して、作業療法士は手の動きや細かい動作を対象としています。

リハビリ専門職・言語聴覚士

言語聴覚士(ST)とは、話すことや聞くこと、食べ物や飲み物を飲み込むことが難しくなった人に対して、機能回復を目指す言語と口腔を扱う専門家です。
円滑なコミュニケーションや物を食べる行為は生きていくために必要不可欠な要素のため、言語聴覚士はリハビリテーションのチームにとって、とても大切な存在といえます。
患者とのコミュニケーションを図りながらリハビリを進める理学療法士にとって、言語聴覚士との情報共有はとても大事な意味を持っています。

その他の医療専門職

理学療法士が臨床の現場で関わる医療職には医師の他にコメディカルといわれる看護師・薬剤師・臨床検査技師・放射線技師がいます。
それぞれ独自の専門性から情報の共有や意見の発信をして患者の改善を図るチーム医療が求められています。

理学療法士がスキルアップのために目指す資格の種類とは?

国家試験に合格して臨床の場に出た理学療法士が更にキャリアアップをするためには、専門性のある資格取得が必要です。専門性のある資格にはいくつかの種類があり、どの分野に特化した専門性が求められるかは業務環境で変わってきます。

認定理学療法士・専門理学療法士

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