掲載日:2021年06月22日  更新:2021年10月07日

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NEXT AWARD トレーナー・インストラクター オブ・ザ・イヤー 2011

フィットネス業界の発展に力を注ぐ指導員を表彰する 『トレーナー・インストラクター・オブ・ザ・イヤー』がついに決定!各受賞者およびその活動内容を一挙紹介。


トレーナー部門

最優秀賞
田中宏明さん
パーソナルトレーナー

岩井智子さん
『月刊 NEXT』 編集長

古屋武範さん
『フィットネビジネス』 編集長

トレーナー部門 最優秀賞 田中宏明さん(26歳)

フィットネスを通して北海道に笑顔と元気を増やす仕組みを創ることを目指して、全国のパーソナルトレーナーとのネットワークを築きながら、パーソナルトレーナーとして実績を出している。2011年には北海道初のピラティスマスタートレーナーとなり、ピラティスメソッドを活用して結果が出せる運動指導者を育成することに向けて大きな一歩を踏み出した。

「結果が出せる」トレーナー

北の大地、北海道で力強くパーソナルトレーナーとして活動する田中宏明さん。2011年2月、それまでフィットネスチーフとして勤めた会社から、フリーとして独立。7月にはピラティスのマスタートレーナーとなり、9月には札幌でピラティス養成コースをスタート。北海道にピラティスインストラクターを輩出し始めている。

パーソナルトレーナーとしては月60本前後のセッションを実施し、その他にも、グループレッスン週4本、地域地区センターでのスクール週2本を担当。ハイブリッドプロフェッショナルとしてもしなやかに活動の場を広げてきている。

股関節に痛みを抱えていたクライアントの状態が目に見えて改善したこと、「開脚したい」という目的でこれまで自己流のストレッチに取り組んでき方に、3ヶ月で期待以上の結果を出せたこと。そうした日々のお客様の笑顔をエネルギー源に、指導者として結果を出すことにこだわって活動を続けてきた。

田中さんが、結果を出すことにこだわるようになったきっかけは、専門学校時代のアルバイト経験がもとになっている。インストラクターを目指してフィットネスクラブでアルバイトを始めると、運動で相応の成果を得ている人が、自分が想像していたよりはるかに少ないことに驚いた。その頃知ったのが「パーソナルトレーナー」という職業。1対1でクライアントの状態や目的に合わせたトレーニングを提供することで成果が出せる。早速、専門学校でNSCAーCPT認定を受け、卒業後すぐにパーソナルトレーニング専門スタジオに入社した。だが、そこでのパーソナルトレーニングは、いま振り返ってみると田中さんから見ると「パーソナルトレーニング」というより「マンツーマントレーニング」。お客さま1人1にトレーナーが人つくという提供方法が違うだけで、提供しているものはフィットネスクラブと何ら変わらない。お客様に合わせたトレーニングも、出せる成果も提供できていないと感じていた。そのうち東京と北海道の情報の格差を感じ、指導者として危機感を覚えるようになる。そこから、田中さんの情報収集の旅が全国に広がっていった。

25歳でマスタートレーナーになる

田中さんの希望の扉を大きく開いたのは、2009年に参加したPHIピラティスの講習会。ここでの出会いをきっかけに、田中さんは「結果が出せるトレーナー」にぐんぐん近づいていく。

まず衝撃を受けたのが、小林俊夫さん。その講習会の講師を務めていた人物だ。
「小林さんは当時25歳。自分と2歳しか違わないのに、その時からピッツバーグに研修に出かけるとか、100人規模でのコンディショニングセミナーを計画してるとか。話も熱いし、やっていることもデカい。こんな人がいるんだ!と、わくわくしました。ブログも毎日読んでは引き込まれていました」

そしてもう一人、大きく影響を受けた人物が、小田島正樹さん。講習会の会場は福岡だったが、小田島さんも道産子であることを知る。北海道出身のトレーナーが全国規模で活躍していることに励まされた。

「小田島さんにも、こんな人がいるんだ!と、わくわくしました。同郷ということもあって、北海道の森山公園で早朝7時から話し込み、先輩トレーナーの懐の深さに触れて、とても心づよく思ったものです」

ピラティスは、人との縁だけでなく、トレーナーとしての実力ももたらした。ピラティスの講習会で学んだことを指導場面で実践するようになると、自分の指導アプローチも変わり、目に見えて成果があげられるようになっていった。「北海道にピラティス指導者が増えれば、結果が出せるトレーナーが増えるはず」。そう考えた田中さんは「25歳までにピラティスのマスタートレーナーになる」という目標を立てることになる。

そして、その強い気持ちが2011年、ボディエレメントシステムジャパンディレクターの菅原順二さんとの出会いを惹き寄せた。

「当時、北海道に住みながら参加出来るピラティスに関するセミナーは限られていて、このままでは北海道にピラティスが普及していくのは難しいと感じました。自分が『ピラティス』エクササイズの考え方や方法を北海道中に広めることが出来たら、東京との架け橋になれたら、多くの人を幸せに出来ると確信したんです。だから流派へのこだわりはありませんでした。菅原さんにすがるようにその思いを伝えました。菅原さんは、親切にマスタートレーナーになることを応援してくださり、晴れて『25歳でマスタートレーナー』という夢をクリアすることができました」

その認定を取るやいなや、待ってましたとばかりに札幌で養成コースをスタート。立て続けに旭川市第1期、札幌での第2期のコースもスタートさせている。

北海道のフィットネスを支える

田中さんはトレーナーの仕事を「天職」と捉えている。それもそのはず、田中さんはスポーツに携わる仕事がしたいと専門学校に進み、当初はフィットネスインストラクターを目指すスポーツインストラクター科を専攻した。だが、そこから数々の偶然の出会いに導かれながら現在の働き方に至っている。

「私は3人兄弟の末っ子なのですが、家族の方針で、高校卒業後の進路は、自分で決めることになっていました。つまり、大学に行くのも、専門学校に行くのも自分の選択。もちろん、自分が決めるので、学費のやりくりも自分。専門学校に進むことを決めて、本当は
3年制のトレーナー科に進みたかったのですが、教育ローンと奨学金を貰い、アルバイトでやりくりすることを考えると2年制のスポーツインストラクター科が精一杯だったんです。でも、だからこそ出会えたのが、今もお世話になっている樋口敬勇先生であり、今、北海道のフィットネス業界で活躍しているフィットネス指導者仲間です。樋口先生は、エアロビック競技選手としても活躍していたので、ある日授業が終わると『お前ら、エアロビの大会に出ないか?』と誘うんです。言われるままに、男子7人で「エアロ侍」というチームを結成しました。2年生の時の大会で入賞した時、『このメンバーは未来の北海道のフィットネス業界を支えていくメンバーです』と話したことは、今でも鮮明に覚えています」

田中さんは、自身の生涯目標として「フィットネスを通して北海道に笑顔と元気を増やす仕組みづくりを行う」ことを掲げている。そのためにも、いいトレーナーを増やす仕組みと、トレーナーたちが活躍できる場づくりが欠かせない。

「初めてパーソナルトレーナーとして担当させていただいたお客様が、1年間で体重20キロ、体脂肪20%、ウェスト20cmダウンするという、トリプル20を達成したとき『人生が変わりましたよ!』と笑顔で話してくださったんです。1人のトレーナーの存在が、人の人生を変えられる。トレーナーという仕事は、トレーニングを提供するというだけでなく、人生に入り込んで、夢をかなえたり、笑顔にさせることができる仕事だと、すごくやりがいを感じました。いいトレーナーが増えれば、幸せな人が増えます。だから、いいトレーナーを生み出し続け、そのトレーナーが活動できる場を増やすことにチャレンジし続けたい。近い将来、パーソナルトレーニングジムの開設や、行政や地区センターの仕事もさらに増やしていけるように頑張りたいと思います」


田中宏明さん Hiroaki Tanaka
パーソナルトレーナー、BESJピラティスマスタートレーナー
社会体育専門学校(現:北海道体育大学校)卒業後、パーソナルトレーニング専門ジム、フィットネスクラブ社員を経て2011年フリーに。ピラティスや姿勢改善などのグループレッスンも行うハイブリッドプロフェッショナル。北海道体育大学校でも年間90コマの教鞭をとるほか、セミナーや養成コース講師などとして活躍

受賞理由
北海道はパーソナルトレーニング市場が未開拓であり、パーソナルトレーナーとしてスキルを高めたりキャリアを積むにも不利な条件。その中でも、クオリティの高いトレーニングを提供する環境をつくろうとするフロンティアスピリットが強く感じられた。北海道という場所で成功モデルをつくることによる全国への影響力は大きく、今後の期待値も含め、その活動が高く評価された。

Must Item
一番の財産である“人との出会い”を提供してくれた大切なアイテムです。お客様のお体はもちろん、自分自身にも多くの気づきを与えてくれました。これらを通して、もっともっと自観力を磨いていきます!

写真
①愛猫カッチ。14年半一緒に暮らした大切な家族です。生きるうえで大切なことをたくさん教えてくれました。現在は2匹の猫を飼っています♪

②大人になったエアロ侍と樋口先生。夏に開催した焼肉パーティーinスタジオヒグチ♪仲間との時間は最幸です!

③小林さんとスープカレー。北海道にお越しの際は、ぜひ食べて頂きたいおススメのスープカレー@小林さんと

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