掲載日:2021年06月22日  更新:2021年10月07日

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NEXT AWARD トレーナー・インストラクター オブ・ザ・イヤー 2011

フィットネス業界の発展に力を注ぐ指導員を表彰する 『トレーナー・インストラクター・オブ・ザ・イヤー』がついに決定!各受賞者およびその活動内容を一挙紹介。


トレーナー部門

最優秀賞
田中宏明さん
パーソナルトレーナー

④宮城県岩沼市の海沿い地域の状況


高橋さんのこれまでの仕事人生グラフ

プログラムディレクター部門 最優秀賞 武部竜也さん(29歳)

「人間関係構築」をミッションとするフィットネスクラブ、オアシスラフィール恵比寿。そのミッションを実現すべく、人と人の絆が深められるイベントプログラムを企画運
営。その活動を「RAFEEL VILLAGE(以下、ラフィールヴィレッジ)」としてブランド化し、年間50以上ものクラブプログラムを実施した。メンバーにそのコンセプトも着実に浸透し始めている。

ラフィールヴィレッジ

ラフィールヴィレッジ村長。これが武部竜也さんの肩書きである。普段はパーソナルトレーニングやアクアパーソナルの指導、またノルディックウォーキングのアウトドアインストラクターとしても活動する武部さんだが、恵比寿駅前にある洗練された大人をターゲットとするオアシスラフィールで従事する時間は、この村長としての仕事に専念している。
「ラフィールヴィレッジ」は2011年4月に創設された。それまで約2年間にわたり企画運営してきた様々なイベントを、「ヴィレッジ=村」のコンセプトで統一し、さらに4つの柱に整理しプロデュースした。

4つの柱とは、①ビジネスやビューティに役立ち、内面を高めるセミナーやワークショップを提供する「Academia(アカデミア)」、②メンバーが中心となり共通の趣味やスポーツをサークル活動として時間を共有する「Circles(サークルズ)」、③毎月実施されるロビーでのカクテルパーティや季節に合わせたイベント「Parties(パーティーズ)」、④アウトドアプログラムで自然を満喫する「Outdoors(アウトドアーズ)」。これまでも似たような内容でのイベントを数々開催してきたが、ラフィールヴィレッジとして統一し運営し始めてから、確実にメンバーのクラブプログラムの認知度も集客力も高まったという。

「以前は、メンバーの方々に興味を持って頂けそうな企画を、とにかく思いつくままに実施してきました。人と人とが繋がることだけを考えて企画していたので、フィットネスとは関係ない内容も多く、メンバーにとっては、何をやっているのか分かりにくかったと思います。そこで、メンバーの皆様にも愛着を持って頂きやすく、且つ、何をしようとしているかが伝わりやすいコンセプトを持たせるように作り変えました。人が集まり、成長するというイメージのある『学校』も候補にありましたが、ラフィールは洗礼された大人のクラブということから、その中で共に過ごす人同士が出会い、アットホームな温かい雰囲気を感じられる『ヴィレッジ』に決定しました。また、人と人の距離が近いことなどから、南の島をインスパイアし、それをモチーフにロゴも作成しました。コンセプトを明確にしたことにより、この活動とクラブのミッションの関係も明確になり、そこからスタッフの意識も変わりました。また、メンバーの皆様にもクラブのコンセプトや各イベントプログラムのコンセプトがシンプルで伝わりやすくなったと感じています」

人間関係構築ビジネス

武部さんがこの仕事に携わるようになったのは、2009年。フィットネストレーナー活動を再開して1年になる頃だった。それはクラブマネジャーとして米国の優良クラブ運営企業として知られるウエスタンアスレチッククラブスでジェネラルマネージャーとして3クラブを歴任して帰国したばかりの石川友行さんが着任したのがきっかけである。武部さんは、その着任時の挨拶に、大きな衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えている。
「『日本のフィットネスクラブは、施設開放業になってしまっています。ですが本来フィットネスクラブは人々が繋がる場所。クラブマネジメントとは人間関係構築ビジネスなんです』。この言葉を聴いた時、頭に雷が落ちたくらいの衝撃を受けました。クラブ運営に対する考えが根本から変わり、そこからトレーナーとしての自分の仕事にも改めて大きなやりがいを感じられたのです。気づくと、そのプロジェクトリーダーの一人に真っ先に手を挙げていました」

というのも、武部さんはラフィールに辿りつくまで紆余曲折を経験してきていた。トレーナーを目指したのはとても早く、小学生の時。とある雑誌でスポーツトレーナーという職業があることを知り、憧れを抱く。その頃から体に関わる事、健康に携わる仕事をしたいという気持ちは変わらず、スポーツトレーナー専門学校に進み、トレーナーの勉強をしながら、フィットネスクラブでアルバイトを始めた。

6年弱続けたが、次第にその仕事に違和感を感じるようになる。フィットネスクラブに来る方々の目的の多くは「やせたい」「筋肉をつけたい」といったもの。その時のトレーナーの仕事は、その目的に応じたトレーニングを紹介していくこと。ほぼ機械化されたルーティンワークに、「これが自分の目指したトレーナーという仕事だったのか」と疑問を抱き始めた。そして、「体は食べ物から出来ている」というメッセージを胸に、食の面から人々の身体と心をサポートすることの方が目指すことに近いのではとの判断に至り、飲食業界に飛び込んだ。そうしてイタリアンレストランでの修行がスタートするが、見習いからの業務は過酷を極めた。幸運にも、副店長になるまで3年間従事したが、不規則な生活と過労から身体を壊し、ある日倒れて病院に運ばれることになる。そして再度、身体と心の両方をケアできるワクワクするようなトレーナーとしての活動を追求し直そうという矢先に、石川さんとの出会いがあったのだ。

「フィットネスクラブの仕事は、人間関係構築ビジネスという話を聞いて、自分がやりたかったことはこれだったんだ、と全てが納得できました。以前フィットネスクラブでトレーナーの仕事に違和感を感じたことも、飲食業界で掴もうとしていた『何か』も。すべて合点がいったんです」

仲間がいるから頑張れる

ラフィールヴィレッジができてからもうすぐ1年。この間に50以上ものプログラムを実施し、参加者は延べ2,200人。確実にラフィールヴィレッジを訪れる人も増え、その活動も充実したものとなっている。武部さんは、これからも大人の方々がワクワクするようなプログラムを企画〜運営し、ラフィールヴィレッジがラフィールのブランドを代表するようなものにまで昇華させたいとその豊富を語る。

「富士山の山頂からの眺めは、一度は見てみたい素晴らしい絶景。見てみたい気持ちは誰でも抱くと思いますが、山頂までの道のりは決して楽ではありません。一人ではなおさらです。それでも富士山に登ってみよう、山頂まで登ろうと思うとき、やはりそこに仲間の存在は強力ですし、山道を楽しくする工夫があれば、山頂まで登り切れる人も増えると思うんです。ラフィールヴィレッジのようなコンセプトが富士山のように強力なクラブのブランディングに貢献出来ると確信しています。そしてこれからも、革新的なアイデアで山頂の絶景のような感動を多くの方に味わっていただくためのサポートをしていきたいと思います。今後は、人と人とを繋げるスキルや、その導入フローの構築、企画力を持った仲間の人材育成を仕事にしたいと考えています」



武部竜也さん RyoyaTakebe
東急スポーツオアシスアシスタントスタッフ
パーソナルトレーナー、アウトドアインストラクターヒューマンアカデミー東京校を卒業後、フィットネスクラブで約6年間働いた後、イタリアンレストランに転職。見習いからスタートし、3年で副店長まで昇格するも体調を壊し、身体と心のケアの大切さを再認識し再びフィットネストレーナーに。現在は、オアシスでアシスタントスタッフとして活動しつつ、パーソナルトレーニングをはじめアウトドアでの運動指導に携わっている。資格・NESTA-PFT、アウトドアフィットネスベーシックインストラクター、JNWA公認インストラクター、ベーシックサーフライフセーバー。

受賞理由
自身が勤務するクラブコンセプトに合わせたプログラムの企画運営力と集客力、それを「ラフィールヴィレッジとしてブランド化し、クラブ全体に浸透させたことが高く評価された。クラブスタッフが関わらずともサークル活動が継続し、サークルプログラムをきっかけに結婚するカップルも出るなど、確実に人と人とを繋げることにも成果を出している。

Must Item
ノルディックウォーキングポール
Outdoorsの定番となっているノルディックウォーキング。体力差を感じにくい心地よいウォーキングは、幅広い年齢層に人気があり、メンバーの皆様同士の交流に一役買っています。ノルディックウォーキングでメンバーの皆様と沢山のコースを歩いて来ました。

写真
①Circlus:現在はフットサル、ボーリング、山登り等のサークルでクラブでの交流が盛んに行われている。

②Parties:「3rd Anniversary Party」。3周年を記念しケーキのサービス。プログラムは過去最高の60名を超える参加者にスタジオは満員になる。

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