掲載日:2021年08月08日  更新:2021年08月21日

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NEXT AWARDトレーナー・インストラクター オブ・ザ・イヤー2015

フィットネス・トレーニング指導者の活動範囲を広げ、広く業界と社会に貢献する活動を讃えるネクストアワード『トレーナー・インストラクター・オブ・ザ・イヤー』2015の受賞者が決定!
フィットネス・トレーニング分野で高い価値を生み出している各受賞者の活動内容を紹介する。

トレーナー部門 Trainer
最優秀賞
田沢優さん(東京都)
株式会社トップキャリア 代表取締役
スタジオB&B 代表

インストラクター部門 Instructor
最優秀賞
吉田かおりさん(熊本県)
株式会社ソニックアーツ 代表取締役

プログラムディレクター部門 Program Director
最優秀賞
日野秀彦さん(北海道)
一般社団法人背骨コンディショニング協会 代表理事

審査員特別賞
布川真一さん(滋賀県)
株式会社Globale Ism代表取締役

飛田大輔さん(東京都)
3H Life assist 合資会社代表取締役

トレーナー部門 最優秀賞 田沢優さん(37歳) 株式会社トップキャリア 代表取締役 / スタジオB&B 代表

トレーナー歴9年。トレーナーに転身する以前コンサルタントとして働いた経験を活かし、戦略的な経営で直営マイクロジム4店舗を軌道に乗せている。人材育成の仕組みをつくり、現在正社員9名を含む従業員20名の組織で運営にあたる。2015年には東京大学大学院に進学し、研究者としての活動もスタートさせた。指導者として、経営者として、研究者として、“社会に役立つトレーナーになる”ことを目指し歩みを進めている。

トレーナーの認知を高めるために

2009年にトレーナーとして独立して以来、トレーナーとしてはもとより、経営者としても着実に実績を重ねてきた田沢優さん。2015年には東京大学大学院に進学し、研究者として
トレーニング指導における専門性をさらに高めることにチャレンジしている。研究テーマは「脳神経と運動に関わる研究」。MRIを利用し、運動が脳神経の発達に及ぼす効果を検証していく。この研究者への一歩は、田沢さんに新たな気づきと成長をもたらしたと話す。「大学院に入って、まず愕然としたのがトレーナーの認知度が低いこと。『トレーナーなのに、なぜ大学院に来たのか?』という質問を幾度となくされました。トレーナーは『運動を教える人』としか認識されておらず、そこに専門性が必要とされていることが知られていない。そこで、『医師も数年間臨床経験を積んでから研究者に戻り専門性を高めるように、トレーナーも経験を積んだうえで改めて身体について研究をしたいと思うのは、自然なことですよね』と伝えると、ようやく納得して、トレーナーという職業についても理解していただいたり興味を持っていただけるようになりました」

新しい環境での体験は、気づきと学びの連続となっている。研究テーマにしている運動と神経科学についての知識はもちろん、最先端の研究や、研究者たちのあくなき探求精神に刺激を受け、改めて、トレーナーとしての〝高み〞を追求したいという気持ちが強くなったと話す。研究で学んだことをトレーナーとして現場指導に活かすことで、クライアント一人ひとりへのセッションの価値をさらに高められることにも改めて期待を膨らませている。

事業を成長させる戦略的思考

田沢さんは、前職でコンサルタントの経験を持っていることもあり、会社経営も戦略的思考のもとに、着々と歩みを進めてきている。

2009年に1店舗目として錦糸町にマイクロジム「スタジオB&B」をオープンし、オープン後3ヶ月でフル稼働となりキャンセル待ちの状態に。

11ヶ月めには同じビルに増床した。その後、2012年に田町三田スタジオをオープン、ここも翌年には同じビルに増床。2014年には武蔵小杉に3店舗めをオープンし、ここでも順調に業績を伸ばしている。

その成功要因の一つに立地戦略がある。この3店舗に共通するのは、複数路線が乗り入れる郊外駅前の、視認性の高いビルのテナントを選んだこと。田沢さんは、出店前に必ず1年半はリサーチする。狙いを定めた駅前で、人の流れを観察し、数年後の人の流れの変化までも読んでいく。1号店と2号店は利用者数がキャパシティを越えた時点で同じビルに増床しているが、それも、将来の環境変化に柔軟に対応するためだ。

そして、組織戦略。1店舗目をオープンするときから、まず社員8人体制にすることを目指してきた。それは、数人の組織では人が抜けた時の周りの1人への負担が大きくなり、また想定以上に集客が伸びたときの一人ひとりの負担も大きくなり、疲弊しかねない。社員の生活の質を保ち、経営を安定させるうえで、とにかく8人体制まで持っていくことを目指した。前述の立地戦略も、8人体制を前提にしていたからこそだ。1店舗であれば自身の指導力と口コミで経営を安定させることもできるが、8人体制を目指したとき、立地自体の集客力も必要だと考えた。

さらに、店長がマスタートレーナーであることも、これらの戦略を支えている。マイクロジムの場合、成功要因としてトレーナーの指導力の重要度は高い。スタジオB&Bの主力商品はピラティスであることから、店長が、マスタートレーナーとしてトレーナーを育成でき、自店の指導の品質管理が行えることは、業績を安定させるうえで有効だ。

社会や業界への貢献


田沢さんは、2009年から錦糸町店を増床した2010年を「自身の成長」、2011年にスタッフ5名を正社員とし、2店舗目の田町店をオープンするまでの3年間を「組織の成長」と振り返る。そして今後目指すのは「社会や業界への貢献」だ。

そこに向けて現在進めているのが、スタジオ運営の成功確率を高められる運営マニュアルの作成である。これまでに、4店舗の直営店のほかに、トレーナーの独立をサポートした4店の姉妹店を持つ田沢さんは、「Teachme Biz」というマニュアル作成ソフトを活用して、スタジオB&Bでの運営手法を共有化しつつスタジオオーナー同士が学び合い成長できる環境づくりを進めていく。

また、トレーニングサービスに加えて、管理栄養士との連携のもとに、栄養サポート事業も強化していく。「個別栄養サポートサービスEPIX」と名づけられた同事業は、マイクロジムのクライアントが、管理栄養士のカウンセリングと食事指導が受けられるようにするもの。田沢さんは、最高のサービスを提供するには、栄養については栄養の専門家があたるべきとして、栄養士のネットワークを構築し、マイクロジム経営者がそのネットワークにアクセスしてクライアントへの栄養指導を依頼できる環境を整備した。2016年4月リリース予定だが、北海道から沖縄まで計15店舗のマイクロジムと一部大手フィットネスクラブへの導入が決まっており、今後クリニックなどとの提携も進めて行く。この事業は、管理栄養士の雇用創出にも繋がり、そこでも社会に貢献できることを目指している。


トレーナーの原点を大切に

研究者として、経営者として明確な目標を持ち、その達成に真摯に挑む田沢さんだが、自身が目指すのは、あくまでトレーナーの価値を高めること。そして、自身のアイデンティティもトレーナーにある。田沢さんはこう話す。

「トレーナーの仕事は、クライアントが幸せを掴み取る過程をリアルタイムに一緒に味わうことができるほか、その感動が共有できることで、心も満たすことができる有難い職業です。トレーナーの価値を高めるために、トレーナーが高い収入を得られる仕組みを作ることも大切ですが、同時に『人の痛みや悩みを解決できる』トレーナーの価値を大切にして、そこにやりがいを感じていたいものです。自分自身もそこを強化していくことで、社会の役に立ちたいと考えています」

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