掲載日:2021年06月26日  更新:2021年10月07日

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NEXT AWARDトレーナー・インストラクター オブ・ザ・イヤー2015

フィットネス・トレーニング指導者の活動範囲を広げ、広く業界と社会に貢献する活動を讃えるネクストアワード『トレーナー・インストラクター・オブ・ザ・イヤー』2015の受賞者が決定!
フィットネス・トレーニング分野で高い価値を生み出している各受賞者の活動内容を紹介する。

田沢優さん Yutaka Tazawa
株式会社トップキャリア 代表取締役 / スタジオB&B 代表
上智大学卒業後、外資系コンサルティングファーム、プロ野球球団職員を経て、トレーナーとして独立。大学受験の浪人時代から出身高校のバレーボール部にて運動指導。選手のパフォーマンスを上げることにやりがいを感じたことが、トレーナーの職業を選ぶことになった原点にある。現在マイクロジム直営店4店舗を経営しつつ、東京大学大学院総合文化研究科身体運動科学研究室にて「脳神経と運動」に関する研究を開始している。


受賞理由
マイクロジムの多店舗展開に成功し、人材育成の仕組みや、栄養士とのネットワークによるサービスも構築するなど、クライアントに最高のサービスを提供する仕組みを着実に形にし、伸ばしてきている。その一方で、トレーナーとして学び続ける場として、大学院の研究室を選び、科学の世界の最先端の知見を、トレーナーの指導現場と繋げることを目指すなど、地道な活動も評価された。


MUST ITEM!
4歳の柴犬「空」くんに癒される毎日。「Facebook」や「Instagram」経由で、(トレーナー)業界内にファンも多い。

写真
①ヘルニアクライアント。2回目の椎間板ヘルニア手術を経て、ポスト・リハビリとしてのコアアライン指導。職場復帰も果たし、中級者レベルのエクササイズも痛みなく動ける体に。

②LOKOMAT。ロボット型歩行訓練機Lokomatによる実験の被験者として参加。自身の研究テーマ以外の実験に積極的に参加し、知見を広げている。

③社内研修。店舗マネージャーによる社内研修。代表の田沢以外にもマスタートレーナーが在籍していることで、社内教育に厚みを増した。

田尻さんのこれまでの仕事人生グラフ

インストラクター部門 最優秀賞 吉田かおりさん 株式会社ソニックアーツ代表取締役

フィットネス指導歴29年。フィットネスクラブ社員、経営者兼フリーインストラクター、アドバイザーを経て、故郷の熊本にブティックスタジオをオープンさせて4年。2015年はセルフブランディングと地域に根差した活動で、インストラクターの活躍の場を広げることに注力した。インストラクター育成への情熱を、一つひとつ形にしてきている。

インストラクターの未来を創るために

2007年、吉田かおりさんは株式会社ソニックアーツを設立。2012年に故郷である熊本に、ブティックスタジオ「PILATES AND YOGA STUDIO Work Arts」をオープンした。スタジオ経営が4年目に入った2015年は、自身の活動の場を拡げることで、地域におけるフィットネス指導者の存在感を大きく高めた年となった。

「スタジオをオープンしてから3年間は、経営を軌道に乗せることに必死でしたが、2015年はメディアの露出や、地域の活動に積極的に参加することによるパーソナルブランディングに努めました。インストラクターを取り巻く環境が厳しさを増す中で、私自身がまず活動の場を拡げることで、後進インストラクターたちが、この仕事に未来を感じることができると思ったからです」

吉田さんは、熊本でこれまで20年間にわたり、インストラクターの養成コースを開催しており、その卒業生は250人にものぼる。その卒業生たちに、生き生きとインストラクターとして活動する姿を見せることで、この仕事で成長していこうと思い続けて貰いたいと数々の取り組みにチャレンジした。

まず、スタジオで進めた施策の一つが、エアロビクスインストラクターが指導しやすいピラティスプログラムの開発だ。養成コースで学んだことを応用しやすいように、BPM100前後の曲に合わせ、有酸素運動の効果も狙う「ピラティスフロー」を導入した。また、バレエの経験を持つインストラクター向けに「バレエピラティス」を開発。さらに西日本で初めて「シルクサスペンション」を導入し、新たなレッスン参加者を開拓した。

また、このシルクサスペンション導入に際して、熊本、福岡のメディア各社にプレスリリースを行い、それをきっかけに、地元の新聞や雑誌、テレビ、ラジオ出演も増えた。そうした情報をホームページやSNSで拡散させるなど、広報活動にも取り組んだ。

スタジオ外での活動にも力を入れた。地元の女性医師や専門職で活躍する女性が中心に立ち上げられた”NPO法人いいおんな(1107)会議”に、運動のプロとして参画。地域の女性たちに健康や美についてのセミナー開催や情報発信を進めて行く。また、2013年から協力しているミス・ユニバース・ジャパン熊本大会では、オフィシャルサプライヤーとしてファイナリストたちへのボディメイク指導や運動実践の場としてスタジオを提供。2016年3月のミス・ユニバース日本大会では、熊本代表の松本沙也加さんが準ミスに輝くなど確かな実績へとつなげた。

最後に選んだ「いちばんやりたいこと」

吉田さんは、インストラクターとしてこれまで働き方、働く場所を数年ごとに変えながら力をつけてきた。高校生時代にエアロビクススタジオに通い始め、短大時代には養成コースを卒業。その後地元のフィットネスクラブに就職し、10年間にわたり社員インストラクターとして働いた。社内研修としてインストラクターの育成を担当したことをきっかけに、インストラクター養成にやりがいを感じ、その後フリーインストラクターとして活動しながらスタジオをオープン。このスタジオは、表向きはダンススタジオとして経営したが、やりたかったことは、インストラクターの養成コース。養成コースが最優先で、使わない時間にダンスレッスンを提供していた。その後、熊本に拠点を置きながらAFAAコンサルタント、ルネサンスアドバイザーとキャリアを積み、結婚を機に東京に居を移してからも、熊本での養成コースは、年1回のペースで継続していた。

養成期間の間は、隔週で熊本に戻っては地元のインストラクターの卵たちに指導を続けた。

だが、東京と熊本との行き来や、出産を希望して不妊治療にも通う生活の中、徐々に身体と心のバランスを崩し、仕事に打ち込めなくなってしまう。その辛い状況の中、選んだ道が、熊本で改めてスタジオをオープンし、ずっと情熱を傾けてきたインストラクターの育成と、そのインストラクターたちが活躍できる場をつくることだった。

「『いちばんやりたいことをやったらいいよ』という主人の言葉に、自分を取り戻すことができました。主人も大手フィットネスクラブの社員として働いていたのですが、転勤希望を出して熊本に拠点を移してくれて、その後スタジオオープンとともに、経営に携わってくれています。長年勤めた会社を辞め、慣れない熊本の地でサポートしてくれることは、私にとって、本当に有難いとともに、強い覚悟に繋がっています。絶対に失敗もできないし、やりたかったことを最後までやり切ること。今、この仕事をさせて貰えていることに、主人にも、養成コース生たちにも、お客様にも感謝し、生涯をかけて恩返しをしていきたいと思います」

インストラクターの自立

吉田さんが、今後強化したいと考えているのが、インストラクターの自立をサポートすることだ。フィットネスの指導現場でプレコリオやパーソナル指導へのニーズも高まる中、インストラクターをとりまく環境は厳しい。既存クラブでのレッスン枠が増えることが期待できない今、インストラクターが自分で新たな活躍のフィールドを見つけて、自立してキャリアを積んでいくことが必要となる。吉田さんは、そのロールモデルやキャリアパスを見せていくことも目指している。

「今まで、私にとってロールモデルとなる方々との出会いがあったからこそ、今の自分があります。特に3人の方との出会いには大きな影響を受けました。一人は、森裕美さん。レッスンすることを心から楽しんでいる姿に触れて、『この仕事が好き』という気持ちを新たにできました。中尾和子さんには、プロとしてとことん妥協しない強さを学び、望月美佐緒さんにはインストラクターから、教育者へとステップアップしていくうえで必要となる想いを形にする方法や、教える立場の者としての心構えや振る舞いを教えていただきました。これからは熊本の地で、私自身が仕事を楽しみながら、妥協なく、インストラクターとしてのロールモデルになれるよう、益々精進していきたいと思います」

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