掲載日:2021年08月08日  更新:2021年08月21日

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NEXT AWARD トレーナー・インストラクター オブ・ザ・イヤー 2016

フィットネス・トレーニング指導者の活動範囲を広げ、広く業界と社会に貢献する活動を称えるネクストアワード『トレーナー・インストラクター・オブ・ザ・イヤー』2016の受賞者が決定!フィットネス・トレーニング分野で高い価値を生み出している各受賞者の活動内容を紹介する。

トレーナー部門
最優秀賞
原田光さん
株式会社 FiNC FIT 代表取締役

インストラクター部門
最優秀賞
坪井啓子さん
有限会社アクアブルーオヴティ 取締役

プログラムディレクター部門
最優秀賞
岩崎真宏さん
一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会 代表理事

トレーナー部門 最優秀賞 原田光さん 株式会社 FiNC FIT 代表取締役

原田光さんは、弱冠23歳で起業し、2016年には都心エリアで一気に4店舗を開業、16名のスタッフを雇用し業績を伸ばした。また、同年フィットネス業界のビジネスコンテストで優勝を獲得し、それをきっかけに株式会社FiNC代表の溝口勇児氏と出会う。
溝口氏の持つ壮大なビジョンに惹かれて業務提携を決意。
株式会社FiNCに事業を売却し、急成長ベンチャーのグループ会社として事業拡大に弾みをつけようとしている。

世界を変える気持ちのある人集合

原田光さんは、2014年に株式会社アスピレストを創業。2016年に急成長させ、株式会社FiNCに売却した。

「世界を変える気持ちのある人集合」。これは、FiNC代表の溝口勇児さんが2014年にブログに綴っていた言葉である。原田さんは、2017年2月からFiNCのグループ会社FiNCFITの代表取締役に就任し、アスピレストの5店舗に加え、FiNCが経営してきたジム2店舗を統合、新規出店にも備える。「ようやくスタート地点に立った」と話す原田さんは、今進行中のストーリーを明確に描いていたと話す。

「ブログの言葉を見てから、3年計画で溝口さんと一緒に働ける状況をつくりたいとシナリオを描いていましたが、1年前倒しで実現できました。溝口さんと一緒に働きたいと思ったのは、溝口さんがブログに書いていた言葉や、そこに綴られていた思いや信念、行動力に感銘を受けて、この人と一緒に世界を変えるようなチャレンジをしたいと思いました。当時、私は個人事業主から会社を立ち上げたばかりで、それまでパーソナルトレーニングをしていれば月200万円は稼げていたのに、起業して3人体制にしたら100万円の売り上げにすら届かないという現実に直面していました。スタッフを育成しながらのジム経営は、個人事業主とは全く違いました。本当は、すぐにでもFiNCにジョインしたかったですが、世界を変えるような事業の一旦を担うからには、まずは自力をつけなければと思いました」

そこから、原田さんの経営者としてのチャレンジがスタートした。原田さんは、組織として経営を成り立たせるためには、個人事業主の視点から脱却し、俯瞰的な視野を身につける必要があると考え、人材育成と仕組みづくりに力を注いだ。

「私自身、パーソナルトレーナーとしてデビューしてから、売り上げを作れるようになるまで、様々な勉強会や技術研修に、とても『お金』と『時間』がかかりました。そこでまずはトレーナーたちが学べる場をつくり、トレーナーとしての知識や技術・経営的視点を身につけられるような場を無料で作ろうと考えました」

毎週日曜日の夜3時間、無料の「原田塾」をスタートさせ、成果はまもなく表れた。参加していた学生トレーナーの成績がグンと伸び始めた。そこから、口コミで参加者が増え、14~15人が集まる勉強会となる。原田さんが経営するジムで働く塾生も増えていった。

原田さんは創業して2年で23名を雇用しており、2017年4月度には19名の入社を予定しているが、この人材育成法が事業の急成長の基盤となっていることは間違いない。

マイナスからのスタート

順風満帆に見える原田さんだが、過去をさかのぼると幾度もマイナスから這い上がる経験をしている。

最初の転機は中学3年生の頃。高校受験にことごとく失敗し、同学年220名のうち、進学が決まらない6人のうちの一人となってしまう。ある高校付属の分校に入学することになった。この学校は、中学時代に不登校児や素行不良などの問題を抱えた生徒が来る場所とされていた学校。その環境で原田さんは目的も目標も失い、自堕落な日々を送ることになる。高校2年の終わりには無期停学処分となり3ヶ月間部屋から出ることも許されなかった。

「さすがに、自分と向き合わざるを得ませんでした。先生が自宅に訪問してきたある日『高校生活で何か1つでも成し遂げたのか?』という言葉が心につき刺さり、『このままではいけない』と思い学校に戻ることを決めました。

そしてその先生の勧めで、高校3年生からサッカー部に入部しました。しかし、最初の試合で、“11対0”の大差で惨敗。このとき、久しぶりに『悔しい!』という気持ちが湧いたんです。その時『半年後にある文化祭で、このチームに絶対に勝つ』と決めました」

当初5名しか部員がいない状況からのスタートだったものの、半年後、文化祭に同じ高校を招聘。見事1対0で勝利をおさめた。

原田さんはこの経験を振り返って、「スポーツはいいな」と感じるとともに、「きっかけさえあれば人は変われる」ことが確信できたという。「人にきっかけを与えられる人になりたい」と、スポーツ専門学校に進むことにした。

原田さんにとって、もう一つの転機となったのは、トレーナーとしてデビューし、月70~80万円をコンスタントに稼げるようになった頃。ある企業から、マイクロジムを年30店舗のペースで展開していく事業への参画を持ちかけられた。

トレーナーとして経営力をつけたいとの思いから、その事業に参画。事業部の一翼を任さた。ところが順調に売り上げも伸びていた7月のある日。会社から「ジムを改装するので、明日からしばらくクローズする」との連絡。何かおかしいと思ったときには既に遅く、親会社が倒産。出資金も収入源も失ってしまう。

弁護士からは自己破産を勧められたが「1日20時間働けば何とかなる」と同提案を拒否。自身の行動力をフル稼働させて、トレーナーの仕事と長時間働けるアルバイトを組み合わせ、急ピッチで収入を取り戻していく。そうして、2014年に創業するまでにはパーソナルトレーナーとして月200万円の収入と、借金の返済を行いながら、貯金200万円を手にするまでになっていた。

やり切ること、ふり切ること

この200万円を元手に、会社を設立。間もなく400万円の銀行融資を得て2015年1月に横浜店を創業。2016年3月にパーソナルジム新宿店をオープンした。

その後、7月に685万円、10月に500万円の融資をもとに、スピーディな店舗展開を進めた。そして、2017年2月1日に株式会社FiNCとの資本提携に至る。

「世界を変えよう」と突き進むFiNCで、さらにスピーディな事業拡大へのチャレンジが始まる。2017年4月には銀座店、6月には原宿店、7月には六本木店、10月には麻布十番店、11月には鎌倉店の出店を予定し、スタッフ数は総勢65名、初年度の売り上げは5億円を計画している。

原田さんは、「やり抜けば、どうにかなる」という信念のもと、とにかくやり切ることにこだわる。そして「やり切ることと、ふり切ること」を信条として、自分の決心に妥協なくつき進む。

会社設立時にこんなエピソードもある。出資を募ろうと、友人トレーナーから経営者の方々を紹介して貰ってはプレゼンテーションに行った。持っていったのはA4用紙に手書きの企画書。ある上場企業の社長からは「まずはパソコン教室に通いなさい」とアドバイスを受けるほどの猪突猛進。しかし、この行動力が実を結び銀行を紹介してもらう事に成功。実際の融資に繋がった。

現在ではトレーナーとしての現場の仕事からは離れたが、トレーナーという仕事に対する思いは強い。今後もトレーナーととともに、世界を変えることを妥協なく目指していく。

「トレーナーとは職業ではなく、トレーナーという生き方を選択する事。楽しい仕事なんてものは存在せず、その仕事を楽しそうにやる人がいるだけ。もしも、トレーナーとして売り上げを作りたい、自分のジムを持ちたいと考えているのであれば、まずは、自分自身に向いているベクトルを世の中に向けて、『クラブのため』『人のため』『地域のため』『世の中で困っている人のため』に自分自身は何が出来るのかを見直すべき。そして、絶対にやり遂げるんだという強い信念を持つこと。『数字』『ロジック』『ファクト』の視点を身につける事はとても重要ですが、時として100ある出来ない理由より、たった一つの信念が勝ることもある。『This journey 1% finished』を信条にこれらも頑張っていきたいです。」

原田光さん Hikaru Harada
株式会社 FiNC FIT 代表取締役
高校入試で3度の失敗を経験。横浜リゾート&スポーツ専門学校卒業後、大手フィットネスクラブで最年少トレーナーデビュー。その後カイロプラクティックの専門学校を卒業し、整骨院でも働く。2014年に会社設立し、2016年までに5店舗体制まで成長させるとともに、エステやスクール事業の株式会社sandrathaを創業。2017年株式会社FiNCと資本提携し、事業譲渡も受けて、8店舗スタッフ数50名の会社代表となる。


受賞理由
マイクロジムの多店舗展開に成功し、より大きな資本を持つ企業と資本提携することで、事業拡大に弾みをつける日本では初めての事例。勉強会方式での人材育成や採用、資金調達など、事業拡大への布石を確実に行ってきていることも高く評価された。

MUST ITEM!
栄養ドリンク
できる範囲で頑張るのはただの作業。常に自分の能力以上の事に挑戦するからこそ成長がある(体力第一)

写真
①ミーティングの様子

②アスピレストとFiNCジムメンバーとの顔合わせ会。

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