*()内の数字は前年の実績 *フィットネスビジネス編集部調べ
施設数の推移(単位:軒、%)
*フィットネスビジネス編集部調べ
Future4 新しい技術やシステムの活用
今後、AIやロボティクスといった新しい技術やシステムを導入するクラブが増える。館内の監視システムやeラーニング、電子決済、アプリの活用、コミュニケーションを促すためのソーシャルメディアの活用、日常のフィットネスライフをサポートしたり、会員予備軍を見つけるためのデジタルマーケティング、オンラインショップの運営などの動きが活発化するだろう。
業界をまたいだコラボレーションも活発化する。生命保険会社や携帯キャリア、測定器具メーカー、眼鏡メーカーなどとのタイアップなどが見られるようになるだろう。例えば、消費カロリーを通信機能付きの歩数計や歩数計機能のついた携帯電話に記録する。それをポイントに換えて管理し、累積したポイントと健康度に応じて生命保険料が安くなったり、クラブの運営するオンラインショップで商品が安く買えたり、またその運動履歴をもとにクラブのトレーナーからアドバイスをもらったりといったサービスが増えてくるだろう。
Future5 クラブ事業以外の市場機会の追求
クラブ事業以外の市場機会として、公共スポーツ施設の管理運営(指定管理)や特定健診・特定保健指導、地域支援事業・介護予防のアウトソース、あるいはネット通販事業や通信による健康カウンセリング事業、トレーナーと生活者、スポーツチームなどを結び付けるマッチングサービスなどがある。
Future6 プログラムも多様化傾向
プログラムも業態同様に“個客”のニーズに対応すべく、多様化していくだろう。コロナ禍の影響で30~40歳の女性層の一部が一時的に退会・休会しているが、ダンス、バレエなどのカルチャー系プログラムは、ゴルフ、スイム、ランニング、バイク、ボルダリング、ボクシング、サーフィンなどのスポーツ系プログラムと並んで、今後需要が戻ると思われる。
グループエクササイズではインストラクターの指導力を幅広い分野に活かせる「プレコリオ」プログラムが増える傾向にある。
相変わらずヨガは安定した人気を誇るが、一方でアクティブなプログラムへのニーズも高まっている。パーソナルトレーニングも「ライザップ」などの影響もあり認知が進み、市場が広がっている。
エビデンスに基づいたファンクショナルなトレーニングもより求められるようになろう。
Future7 トレーナーや 経営人材の育成
既述したトレンドを踏まえ、各社がサクセスフルな経営を実現していくためにキーとなるのは「人」だ。
とりわけ重要となるのは、トレーナーだ。専門的な知識と技術をもつトレーナーが必要となる。ということは企業側は彼ら彼女らが働きがいを感じる労働環境やビジネスモデルをつくれることが大切になる。また、これからの時代は、問題発見力をもち、そこへのソリューションを顧客の立場で創造的に考えることができ、自立的、主体的に行動できる経営者タイプの社員が求められる。できれば、それがトレーナー出身だと、なおいい。
そういった人材が、変化に対応した仕組みをつくり、組織を巻き込んで高い成果を残す。さらに若年社員の鑑にもなって彼ら彼女らを育成していく。
ビジョンをもち、猛勉強を続けられるこうした人材を採用し、育成する取り組みが重要になるだろう。
フィットネスクラブ業界売上ランキング トップ10
*コナミスポーツクラブは、コナミホールディングス(株)の健康サービス事業セグメントの売上高、セグメント別損益を記載
*コナミホールディングス(株)は、2015年3月期より国際会計基準(それ以前は米国会計基準)
*カーブスジャパンは、コシダカグループのカーブス事業の業績を記載
※フィットネスビジネス編集部調べ