掲載日:2021年08月10日  更新:2021年10月07日

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NEXT AWARD トレーナー・インストラクター オブ・ザ・イヤー 2018

フィットネス・トレーニング指導者の活動範囲を広げ、広く業界と社会に貢献する活動を称えるネクストアワード『トレーナー・インストラクター・オブ・ザ・イヤー』2018の受賞者が決定!
フィットネス・トレーニング分野で高い価値を生み出している各受賞者の活動内容を紹介する。


②試作品の組み立て

③耐荷重試験の様子

④指導風景

小林さんのこれまでの仕事人生グラフ

インストラクター部門 最優秀賞 奈蔵和香さん 株式会社Vivicious Works Japan取締役

フィットネスインストラクターから、養成コース・研修講師、マスタートレーナー、プログラム開発、スタジオ経営、インストラクター派遣と、共感する同志や仲間とともに、しなやかに活動の場を広げてきた奈蔵和香さん。2018年はフィットネスサービスの海外展開サポートやアプリと連携したエクササイズ制作など新たな分野に進出。今回、読者および編集部推薦から、インストラクター・オブ・ザ・イヤー最優秀賞に選ばれた。

インストラクターとしてのアイデンティティ

フィットネスインストラクターとして指導歴22年の奈蔵和香さん。2018年は、改めてインストラクターとしてのアイデンティティを確認し、それを活かすことの大切さを実感した1年になったと話す。

その体験の一つが、カンボジアでのインストラクター育成講師としての仕事。2018年は2回にわたり現地に赴き、約20人の現地スタッフに、ラディカルフィットネスプログラムのX55とMEGADANZのインストラクター育成講習を実施した。カンボジアではフィットネス業界は、まだ黎明期にあり、若年層の間に、ファッションまたは娯楽の延長として位置づけられている。カンボジアでは学校教育に音楽も体育もないため、インストラクター育成講習と言っても、運動初心者への指導と変わらない。それでも、現地スタッフが一生懸命に学ぶ姿に触れて、インストラクターとしての原点に立ち返ることができたと話す。

「私は幸運にも、インストラクターになって約5年の、25歳の頃から育成の仕事に携わってきています。日本では今や、動きも指導のスキルも高いインストラクターが多くいます。今回カンボジアの若いスタッフたちに、インストラクターとして大切なことを伝えながら、そして、それを真摯に学ぼうとする姿を前にしながら、伝えていくべきことはコリオや形以上に、“人と人とが直接触れ合う貴重さや、そこで得られる共感や感動”なんだと。なぜ自分はインストラクターという仕事を追求しているのか改めて確認することができました」

もう一つ、奈蔵さんが取締役を務める株式会社Vivicious Works Japan(以下、ヴィヴィシャス)で楽しみながら続けているのが、仲間のインストラクターたちのアイデンティティ、つまり、それぞれの強みや「らしさ」を活かすことだ。

同社には、5人の「キャスト」と呼ぶ契約インストラクターがいるが、そのキャストたちは、レッスンだけでなく、プログラム開発やイベント企画、またお客さまのチームづくりにも参画している。

ヴィヴィシャスでは複数の総合フィットネスクラブからプログラム開発を受託しているが、各プログラムごとに3〜4名の体制で毎週開発ミーティングを行い、教材用の撮影から音源のチェック、アップデート研修の段取りから講師まで、このキャストたちが自ら進めている。「みんなの活躍なくしてヴィヴィシャスは語れません」と、奈蔵さんも全幅の信頼を寄せている。

同様に、ヴィヴィシャスではメンバー向けにも、「登山部」「ランニング部」などスタジオに留まらない様々なプログラムを提供しているが、こうした企画も、登山ガイドの資格を持ったインストラクターや、ランニング好きのインストラクターが自らの経験を生かしイキイキと活躍できる場を提供すると同時に、グランドデザインである「クオリティ・オブ・スポーツライフの向上」を目指して、健康づくりをさまざまな側面から提供すべく実施している。奈蔵さん自身も、茶道を極めるご家族の縁を活かして「お茶ヨガ」イベントを実施したり、お茶室を借りての「お茶会イベント」の実施も計画している。

さらに、ヴィヴィシャスでは総合フィットネスクラブにインストラクターを派遣する契約も週50本あまりあるが、個人事業主として活動しているヴィヴィシャス登録インストラクター一人ひとりの活躍をサポートしたいと、各レッスン報告に感謝の気持ちを伝えたり、ときにはフィードバックを丁寧に返したり、3ヶ月に1回合同ミーティングを行い、インストラクター仲間同士のコミュニケーションを深めながら、一人ひとりがインストラクターとしてのアイデンティティを確認できたり、自信が持てる環境をつくっている。

二人三脚でのスタジオ経営

奈蔵さんは、東京生まれ東京育ち。小学校から学習院に通うお嬢さまとして高校までを過ごしたが、体育の授業で捻挫をしたときの先生の応急処置に感動して、体育指導者を目指すようになったという。体育系の大学に進み、当時ご両親が会員になっていたフィットネスクラブに通ったことがきっかけで、インストラクターを目指し、20歳でインストラクターとしてデビューした。

その後、フリーインストラクターとして活動しながら、本誌でもおなじみの有限会社スポーツゲイトや、ラディカルフィットネス、スタジオアドバイザーを務めるアイレクススポーツライフ株式会社など、企業との縁も大切に育ててきた。

奈蔵さんにとって、自身のキャリアとしても、人生としても大きな転機となったのが、パーソナルトレーナーとして活躍する鑄山和裕さんとの出会い。鑄山さんは、数多くのプロアスリートをはじめ、延べ3万人以上の指導経験を持つ、日本のパーソナルトレーナー業界の先駆者の一人。講習会で隣同士に座ったことをきっかけに、フィットネス事業に対する思いを共有するうちに縁が深まり、13年に結婚。奈蔵さんも本拠地を名古屋に移し、15年に「studio Vivicios Fit」をオープンし、二人三脚でお互いの専門性を活かしがら、相乗的な価値をお客様に提供できる運営を続けてきている。

「二人とも専門性を追求しますが、こだわり過ぎないところもあります。鑄山の考案したトレーニングメソッドをグループプログラムにしたり、グループインストラクターにパーソナル指導の機会を創出したりと、自分たちや仲間たちのキャリアづくりにも、相乗効果が得られていると感じます。お客さまも、ダンスからワークアウトのプログラムまで幅広くチャレンジしていただけています。2018年に、チームごとにパフォーマンスをステージで披露する『Amazing!!! Night』というイベントを2回行ったのですが、ファンクショナルトレーニングの動きで構成した「ワークアウトチーム」がダンスチームのメンバーさんからも印象的だったようで目を惹いていました。メンバーの方同士インスパイアされて、新しいプログラムにチャレンジしようと思っていただけるのも嬉しいですね」

「笑顔を創り、幸せを繋ぐ」

このヴィヴィシャスの理念とともに、現在もレギュラーレッスンも大切にする奈蔵さん。フィットネスクラブでも週本、「studio Vivicious Fit」でも週約3本を担当し、インストラクターとしての本質的価値の追求も続けている。

「ダンススキルや指導スキルなど、準備してきた内容通りにレッスンするのは簡単ですが、そこに集まる人の状態や変化に、感覚をフルに活かして気づき、その場で臨機応変にアジャストして、まさにお客様と一緒に創り上げる一度きりのライブな時間が最高に楽しいです。自動車のハンドルなどにもある“遊び”を大切にして、お客様視点を忘れずに、心からの笑顔を創れるように、自分自身にも期待するようにしています。」

またその一方で「一家に一人、健康オタク」をスローガンに、フィットネスが広く浸透する仕組みづくりにもチャレンジしていく計画だ。

「以前NHKの番組レギュラーを務めさせて頂いていたとき、全国各地に足を運んでエアロビクスエクササイズのレッスンを提供する機会がありました。小さな町で、クラブやスタジオがなくても、各地にいる“健康おたく”の方を中心にフィットネスは脈々と息づいていて、その輪が広がっていることを感じました。今後は、そうした地域の核になる方々の活動や、日本を支える企業で働く方々の健康づくりをサポートできるようなシステムやコンテンツづくりもしていきたいと思います」

奈蔵和香さん Waka Nagura
株式会社Vivicious Works Japan 取締役DANSKINアドバイザリースタッフ/rykaライダー
RADICAL FITNESS JAPANマスタートレーナー、アイレクススポーツライフ株式会社スタジオアドバイザー
ンスエアロビクスを中心に、ワークアウト・パーソナルセッション、ストレッチなど、幅広い指導分野を持つ。10年間にわたりNHKエアロビック番組に出演するなど、これまで全国各地にて約20万人を指導。指導者の育成を主軸とし、指導者の活躍を創造している。2013年から名古屋に移住。経営者、教育者、指導者として、業界内外の企業等とも積極的に関わり多彩な取り組みを展開している。
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‘文房具好き’でスケジュール管理はアナログ派。PC歴は22年。

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