掲載日:2021年10月30日  更新:2021年10月30日

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企業、自宅、地域で、フィットネスに参加しやすい環境づくりをサポート

スポーツクラブを全国に139店舗展開するルネサンスは、リハビリに特化した通所介護施設や訪問看護ステーションなど「元氣ジム」を33店舗展開するとともに、企業フィットネスとして約890社と、これまで全国200以上の自治体に健康づくり支援サービスを提供している。
コロナ禍の新しい生活様式に対応しながら、各方面で新たなサービスを拡充してきているが、その中でもニーズの高い取り組みについて、話を訊いた。

健康づくり支援サービスでニーズが高まる「オンラインレッスン」「シューズフィッティング」

オンラインで、自宅、企業、地域に フィットネスを届ける

 緊急事態宣言が全国的に解除され、フィットネス愛好家の方々のクラブ利用は戻り始めているものの、依然として、コロナ禍でクラブを辞めてしまった人、クラブメンバー以外の生活者へのマーケティングが大きな課題となっている。
 健康二次被害予防の観点から、特に注力しているのが、ステイホームで家にいることが長くなっている人にフィットネスを届けることだ。なかでも注目しているのが、コロナ禍にスタートした、オンラインフィットネスの施策である。「おうちが自分のスタジオになる」をコンセプトに展開している「ルネサンスオンラインライブストリーム」は、当初はコロナ禍のクラブの営業自粛を機に、クラブメンバー向けに提供し始めた。現状では利用者の大半がクラブメンバー以外の生活者だという。

 特にニーズが高いのが、平日21:00からの30分プログラムで、同時間帯に種類の違うプログラムを4~5本提供しているが、多い時には合計1,000名あまりの参加があるという。一番人気は「ヨガ」だが、「ボディシェイプ」など有酸素系のクラスへのニーズも高い。
 ユーザーヒアリングを行ったところ、「クラブには行けないものの、フィットネスに参加したい」というニーズに応えられていることが示唆された。
「以前ルネサンスに通っていたが、病気を患って外出できなくなり、自宅で誰にも見られない安心感でオンラインレッスンに参加し始めたが、今はライブで画面をオンにして楽しんでいる」という声や、「子どもを寝かしつけて、家事が終わるのが21時頃。そこから外出はできないものの、自宅でなら参加できる」「子どもがいても、家でならレッスンに参加できるし、子どもも一緒に参加できる」といった声が寄せられた。

 企業フィットネスでも、オンライン講座へのニーズが増えている。企業向けには、これまで法人会員制度や、リアルでの運動指導、就業者の健康課題に対応する講座なども提供してきたが、コロナ禍で主に2つの健康二次被害が危惧されている。一つは、60歳以上の再雇用が増えていることによる転倒を含むフレイルの進行、もう一つが、睡眠負債を含むメンタル面での課題である。この「フレイル」と「メンタル」の課題は、「コロナ禍でリモートワークが浸透したことで、状況が悪化している」との声が人事担当者からも直接寄せられているという。そこで、それに対応するオンライン講座の活用を、改めて企業に啓発している。

 自治体の取り組みでも、オンラインの活用を広げている。これまで自治体の取り組みのほとんどが、対面での直接指導だったが、オンラインのサービスを組み合わせていくことを提案し、自治体やその担当者が、高齢者のオンラインレッスン参加をサポートする体制づくりを進めている。オンラインでサービスが提供できるようになることで、これまでは指導者がいなかった小さな町や、車で数時間かけて通う必要があった町にもフィットネスが届けやすくなる。また、フィットネス指導者がいないことで活用されていなかった運動施設にオンラインで繋いでプログラムを提供することで、自治体の有休施設の利用も活性化することにも繋げている。

シューズフィッティングで 「外出」をサポート

 健康二次被害を受けやすい高齢者に向けては、「外出」や「人とのつながり」をサポートする施策を強化している。
 デイサービスの「元氣ジム」を通じては、まずスタッフが利用者との丁寧なコミュニケーションを続けてきた。
 コロナ禍で始めた取り組みの中でも注目しているのが、「外出」をサポートする「シューズフィッティング販売会」である。ルネサン
ス所属の理学療法士が元氣ジムの中で、利用者一人ひとりと話をしながら、その人に合うシューズを紹介し、その場で試し履きをして、
気に入れば購入もできるようにした。
 担当する理学療法士によると、高齢者のほとんどが、自分に合ったシューズを選べていないという。デイサービスで理学療法士から直接アドバイスが受けられることで、外出することの重要性が、高齢者本人も家族も、改めて認識できることになる。自分に合うシューズを買うことで、外出するきっかけができ、快適に歩けることで日常の活動量が高まる可能性もある。参加者からも好評で、一度参加した人が、次の機会に家族や知人を連れてくるなど、口コミも広がっているという。

健康二次被害防止に フィットネス指導者ができること

 コロナ禍による環境変化による健康二次被害予防に、フィットネス指導者ができることについて、望月さんは何よりオンラインでの指導力向上を挙げている。
「コロナが収束しても、オンライン指導サービスがなくなることはなく、どこに住んでいても、遠方の方にも指導が届けられるので、むしろ機会は広がっていきます。オンライン指導サービスの中でも、ライブでのレッスンは、動画コンテンツより何倍も集客力があることが分かってきています。オンラインでも『人とのつながり』が感じられたり、運動の価値や成果が届けられるスキルを身に着けて、コロナ禍で急増する『フィットネスに参加したくても、参加できていない人』のニーズに応えていきましょう」

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