掲載日:2022年01月02日  更新:2022年01月05日

NEW

栄養とスポーツが社会をもっと豊かにする~プロスポーツ現場での、栄養コンシェルジュ®の可能性とは~

一般社団法人 日本栄養コンシェルジュ協会 代表理事である岩崎真宏さんと、栄養コンシュルジュであり、株式会社横浜DeNAベイスターズ ハイパフォーマンスグループの一軍チーフトレーナーである渡邉雄太さんによる『プロスポーツにおける栄養の重要性と可能性について』の対談をまとめた。

プロスポーツにおける栄養を学ぶことの重要性

(NEXT) 渡邉さんは、横浜DeNAべイスターズのハイパフォーマンスグループのトレーナーであり、栄養コンシェルジュ®を取得されていらっしゃいますね。プロスポーツにおいて栄養を学ぶことは重要なのでしょうか。

(渡邉雄太) プロ野球選手は、年間365日のなかで143試合を行います。その間パフォーマンスを維持するために、栄養や睡眠が注目されています。選手自身でも栄養を勉強する方が増えてきています。

(岩崎真宏) 栄養はすべての人に必要ですが、特に、スポーツ選手は身体に人生がかかっていますよね。

(渡邉) そうですね。選手にはトレーニングだけでなく栄養も非常に大事です。

(NEXT) チームには栄養士の方もいらっしゃいますが、トレーナーも栄養指導にかかわるのでしょうか。

(岩崎) 管理栄養士は、病気の治療や予防を中心に学びますが、実はアスリートに対する栄養学を詳しく学んでいるわけではなく、アスリートを取り巻く環境や状況がわからなくて、実際の指導の際に大変な思いをすることがあります。また、管理栄養士はグラウンドに出て常に選手の傍にいるわけではないので、選手の状態や抱える課題を逐一把握することは困難です。一方で、トレーナーは常に選手を見て、選手の問題を発見し、解決方法を考え、コンディションを整える役割を担っています。
ですので、トレーナーが栄養指導もできればもっと選手のパフォーマンスを上げていけるのではないかと思います。

(渡邉) そうですね。DeNAではこれまで、栄養は栄養士に任せていましたが、体制を変え、チーム全体で栄養の意識をもち、取り組む体制を作っています。

(岩崎) 渡邉さんが発起人でしたね。

(渡邉) 栄養の知識を付けるために、何を学べばよいか探していたときに栄養コンシェルジュと岩崎さんと出会いました。

栄養コンシェルジュ資格とは、その実践力、可能性について

(NEXT) 栄養コンシェルジュはどんな資格なのですか。
(岩崎) 栄養コンシェルジュは『食品の働き』と『身体の仕組み』を結びつけて効果を発揮する栄養サポートのスペシャリストです。医学博士、管理栄養士、医者やアスリート、臨床心理士が集まり『使える栄養の知識と技術をすべての人に』をビジョンとして創設した栄養学習プログラムで、知識を活用することに特化した内容となっています。栄養の基本となる知識と、実際の現場でどう使うのかという技術、『食品カテゴリー』という食品の選び方がすぐにわかるツールを用いて実践できるようにしています。

(渡邉) この『食品カテゴリー』というのが非常に便利です。選手は自分が何の栄養を摂ったらよいかわからないことが多く、トレーナーもそれに対し、知識が少なく的確な指導ができていませんでした。それが、例えば疲れやすい、疲れが取れにくい選手に対しカテゴリー3の食事を摂りましょう」と勧めることができるようになりました。
栄養コンシェルジュは、栄養が身体にどう働き、どう活用するかを体系的に学ぶことができるので、選手にも説明しやすく伝わりやすいと感じています。今では「この課題にはこの栄養が必要」というように、チーム内での共通認識となっています。

(岩崎) チーム全体で共有されているのが素晴らしいですね。これは、トレーナーが知識を持った影響だと思います。トレーナーであれば選手だけでなく、コーチ、監督とのコミュニケーションにおいても、包括的に栄養の話ができます。結果的に、チームの栄養リテラシーが高められ、選手にも浸透させていくことができるのです。

(渡邉) 私たちのチームでは選手の情報は、一人ひとりのスキルとフィジカルの問題をスクリーニングし、選手個々の問題を抽出し、課題に対しどんな栄養が必要かを記録した選手カルテによってチーム内で共有しています。

(岩崎) 選手本人だけでなく、チームが一体となって選手の身体つくりを支えていますよね。

(渡邉) はい。現在は、トレーナーと管理栄養士、調理師で連携して選手をサポートするチーム体制を作っています。選手寮の1階のレストランに調理師がおり、必要な食品カテゴリーを伝えるとそのカテゴリーの中の食品を使って食事を作ってくれます。来年からは、このチームが栄養サポートのための独立した部署として立ち上がる予定です。

(岩崎) プロチームに栄養サポートの部門があるというのは、画期的な取り組みですよね。

(渡邉) 他ではまだないと思います。

(岩崎) 栄養で選手のパフォーマンスやコンディションが変わります。医療現場においても、薬が効かない患者さんが的確な栄養サポートで食事を変えたことで薬が効くようになったという事例があります。アスリートも、結果が出ていない選手が、的確な栄養サポート受けることが出来れば、結果を出せるコンディションに変わる。そういう力が栄養にはあります。
運動をして栄養を摂る、この調和が崩れると問題が起こります。どちらかが足らなくても過度に多くても、怪我や病気、本来備わっている自分の身体の力を発揮できない状態になりかねません。アスリートも、この調和がとれていれば、パフォーマンスの可能性がもっと広がっていくと思います。

今後の抱負

(渡邉) いま私は『世界最先端の栄養グループを作る』ということに取り組んでいます。
コロナ禍で、横浜の美味しいものを提供し守ってきた多くのお店でシャッターが閉まっている光景を目の当たりにしました。私たちプロスポーツチームは、有名な選手に憧れる子どもたちやファンのみなさん、横浜の街の方々に対して情報を発信していく大きな影響力を持っています。この私たちの影響力を通じて栄養の正しい情報を発信し、横浜に元気を取り戻したい、さらにそれを日本、世界へとつなげていきたい。これは栄養コンシュルジュとしての私の使命であり、今がそのスタート地点であると考えています。そして、資格を持っている人も増やしていきたいと思います。

(岩崎) スポーツで社会が健康になり、社会に貢献できるというのは、まさにスポーツ本来が持つ力ですね。栄養もまた、社会をより良くすると考えています。
「食」という文字は「人」を「良」くすると書きます。良くするというのは、食べることで心身の健康をもたらすということです。食べ物を口に含んだ際には、非常に複雑な栄養成分が組み合わさり刺激として脳に働きかけます。これが、子どもの脳の発達や、認知症予防にも影響を与えます。さらに美味しいと感じたら、どんな人でも笑顔になります。栄養の力は身体から心まで幸せにするものなのです。
しかし、栄養学は誤って情報が伝わってしまうと、例えば摂食障害になってしまうなど、良くならない、食べることが悪いかのように理解されてしまうこともあります。正しく理解することは非常に大切なのです。
栄養学を知ることで自分の身体を知り、すべて他の生き物をいただいているということを知ります。それによって自分の身体が良い状態を維持していることを知り、いただいている命に感謝をする気持ちが出てきます。こうした栄養の大切さ、素晴らしさを、知識のある人が世の中に伝え、もっと世の中に浸透してほしい。その方法の1つとして、栄養コンシュルジュも貢献していきたいと思います。

栄養コンシェルジュ®の資格養成コース

すべてオンライン受講が可能です。

●1ッ星コース
栄養とは何かについて理解を深めるコース。
食品が持つ栄養を消化吸収する仕組み、実践的な食品選択の方法や技術を習得できます。

●2ッ星コース
栄養についてより専門的な理解を深めるコース。
栄養が細胞など身体にもたらす影響、身体の変化を理解し、身体状態を把握できるようになります。
※1ッ星栄養コンシェルジュ®取得者のみ受講可能。

●1ッ星&2ッ星セットコース
1ッ星コースから2ッ星コースまで一気に学べるコースです。


▼お申込はこちら

11 件中 1-11

  • 1

新着

同じカテゴリの記事