掲載日:2022年01月07日  更新:2022年01月26日

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「フィットネス業界カオスマップ2021に見る、フィットネストレンド2021-2022」と併せて読みたい、注目トレンド解説

「フィットネス業界カオスマップ2021に見る、フィットネストレンド2021-2022」に続き、岡崎秀哉さんが注目するカテゴリー別のコロナ禍の影響の差、カテゴリーでのキープレイヤー、トレンド分析についてまとめた。そして、今後のトレーナーの働き方について伺った。

コロナ禍で強さを見せた3カテゴリーと、トレーナーとしての働き方

岡崎秀哉さんが「フィットネス業界カオスマップ」をまとめるのは、今年で3年目。昨年の業界マップと比較しながら、まず注目したのが、カテゴリーによるコロナ禍の影響に差があったことだと話す。
「総合クラブや都心のジムなど、固定費が高い業態や規模、立地の施設は、コロナ禍の影響を受けた一方で、この間に店舗数を増やしてい
るカテゴリーもあります。コロナ禍の影響を受けず好調に推移していると見られるカテゴリーは3つあります。
それは、①地方の24時間ジム、②コンセプト型スタジオ、③継続型パーソナルジムです」

それぞれのカテゴリーでのキープレイヤーと、トレンド分析についてまとめていく。

➊地方の24時間ジム:損益分岐点が低く 成立しやすいビジネスモデルで成長

地方の24時間ジムが好調な要因として岡崎さんが挙げるのが、損益分岐点が低いことによるビジネスの成立のしやすさである。家賃が低く、初期投資も、マシンや内装にこだわらなければ、低く抑えられる。そのため、月会費も安く設定しても成り立つ。
エニタイムフィットネスやFiT24など、24時間ジムの大手チェーンが地方への出店を強化していることを見ても、地方の24時間ジム市場は、成長段階にあると見られる。

だが、エリアによってはレッドオーシャンになりつつあり、今後、差別化戦略をとる必要が出てくると岡崎さんは見ている。
「低価格に反応する人の多くは、運動初心者の方々で、ウエイトマシンの使い方がわからず、ランニングマシンだけ使っている人も少なくありません。そうすると、近くにもっと安いジムがでてくれば、そこに移ってしまうでしょう。初心者の方々は、マシンの違いもあまりわからず、大手チェーンによる共通利用のメリットも価値として感じない方も多い。現状では、わかりやすい例ですと、Fit24は、経営企業の青木グループが運営するマンガ喫茶『快活クラブ』とコラボレーションした価値提供で差別化を図っています」

➋コンセプト型スタジオ: 運動継続への意識の高い人に 時間効率の高さを付加価値にして成長

このカテゴリーで特に注目されるのが、「ハイアルチ」「オレンジセオリー」「クロスフィット」など、運動効果の高い環境やプログラムを提供するスタジオ。短時間高強度のトレーニングを特徴としており、通常のフィットネスクラブと比較して意識の高い人が利用していることから、コロナ禍の新しい生活習慣の中でも、運動する時間の優先順位が高く、継続率が維持されていると考えられる。
さらに、こうしたスタジオの体験価値は、オンラインでは提供できないことから、オンラインへのシフトをしていないことも、確実にスタジオにユーザーが戻ってくる要因となっている。

コンセプト型スタジオの中でも、コロナ禍以前に人気を得ていた暗闇系スタジオは、没入型のハードなトレーニングであるものの、運動初
心者の女性も多く、休会退会に繋がりやすかったと考えられる。これらのスタジオはオンラインにシフトしたものの、昨今はリアルに回帰した
り、初心者向けのオンラインサービスはレッドオーシャン化していることで、継続率を保つ難易度が高まっていると予測している。

➌個室型パーソナルトレーニングジム: 低コスト出店×継続型×マーケティング力で 店舗展開

日本のパーソナルトレーニングジム市場も成長期に入り、差別化も進んできている。ビジネスモデルも多様化してきており、同市場を切り開いたライザップの短期集中型から、回数券をパッケージで販売する「回数券型」や、月会費でパーソナル指導が利用できる「サブスク型」で成長するチェーンが出てきている。

岡崎さんが特に注目するのが、「リアルワークアウト」と「かたぎり塾」で、ともに回数券型で、入会時にカウンセリングをしたうえで、48回(週2回×6ヶ月で消化)を主力に、24回、16回、8回などのパッケージで回数券を販売し、回数が多いパッケージほど、1回あたりの金額が安くなる設定。1セッションあたりの価格は、6,000円~8,000円で、先行する大手パーソナルトレーニングジムより割安感が感じられる設定で支持を集めている。
マーケティングや店舗展開など、ビジネスを成長させるうえでの戦略性も高いという。

「リアルワークアウト」は、フランチャイズ式で店舗展開しており、トレーナーから、フランチャイジーとしてジムオーナーになれるキャリアプランも用意されている。トレーニング指導の内容もトレーナーに任せており、個人事業主のパーソナルトレーナーにとっても、チャレンジしやすい環境がある。Webマーケティングも強く、トレーナーの採用も、クライアントの集客も、Webを中心とした施策で伸ばしているという。

「かたぎり塾」については、「出店の立地選びにセンスを感じる」と岡崎さん。現状、首都圏を中心に、分かりやすい場所に出店していることも、ブランド力に繋がっていると考えられる。

フィットネスカオスマップ2021にみる トレーナーの今後の働き方

2021年のカオスマップの変化を受けて、岡崎さんが2022年に向けて注目するのが、地方都市郊外のパーソナルトレーニング市場だという。
2021年に最も伸びたカテゴリーである個室型ジムは、現状都市圏に出店されており、地方都市にはまだ成長余地が残されている。
一方、都市圏で働くトレーナーには、パーソナルトレーナーとしての成長を目指しながらも、早めに働き方の引き出しを増やしておくことを岡崎さんは勧めている。

「パーソナルトレーニングジムの競争激化に向けて、パーソナルトレーナーとして、たとえジムがつぶれても生きていける、多様な働き方を見つけておくことが肝要です。私自身も、オンラインの仕事や企業フィットネスの仕事、NPOなどでの地域や公共の仕事などで、ポートフォリオを組んでいます。仕事の引き出しを増やすコツは、最初は、人との繋がりを大切にして、報酬を気にせず、興味のある仕事や、成長に繋がる仕事にチャレンジし、実績をつくることです。このカオスマップも1ヶ月以上かけて、隙間時間で作成しました。このカオスマップ自体は1円にもなりませんが、多くの出会いや、新たな仕事に繋がるきっかけが生まれています。フィットネスやトレーニングの市場はまだまだ成長するはずです。戦略的にキャリアを築いて、トレーナーとしての競争力と価値を高めていきたいですね」


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