掲載日:2022年03月02日  更新:2022年03月02日

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3年で60店舗に急成長した、リアルワークアウトのWebマーケティングを大公開!

個室型パーソナルトレーニングジムを、これまでに60店舗展開し、パーソナルジムチェーンとして急成長を見せるリアルワークアウト。
Webマーケティング会社を経営していたこともある土屋耕平さんのディレクションのもと、コピーライターをリーダーとしたクリエイティブチームが、Webマーケティング施策を進めている。
デザイン思考で課題を解決する、「リアルワークアウト」のWebマーケティング戦略とは?

成長しているSNSで一緒にビジネスを成長させる

近年市場が拡大しているパーソナルジムの中でも、際立った成長を見せているリアルワークアウト。
同社社長の土屋耕平さんは、元ミュージシャンで、自身の楽曲を多くの人に届けたいと、独学でWebマーケティングを開始したのが2000年代後半。その後、インターネット広告を運用できることが注目されて企業からの依頼が増加し、ミュージシャン仲間とWebマーケティング会社を立ち上げた。

その土屋さんがリアルワークアウトを創業したのが2018年。Webマーケターとしての視点から当時のInstagramでの可能性に注目。
Instagramに集中した施策をとることで、Instagramのメディアとしての成長に、リアルワークアウトの成長も同期させることができたと振り返る。

最初にやったことは、「パーソナルジム」の認知を広げる施策。2018年当時は「パーソナルム」がライザップなど高単価のサービスに限られており「『パーソナルジム』という名前は聞くけど、何をやっているか気にる、知りたい」というインサイトを持つ生活者が増えているという仮説を立てた。

認知を広げるうえでInstagramを選んだ理由は、当時、ユーザー数の伸びに対して、広告の数が少なく、少ない予算でも広告が表示されやすく、クリックされやすい環境にあったこと。さらに、ボディメイクに興味を持つ若年層が多いことから、「パーソナルジム」に興味を持っている人も多いと想定。
その層が行動を起こしやすい「体験無料ができて、気に入ったら1回5,000円で利用できる」という手の届く料金設定を打ち出していった。

この策が功を奏して、大手パーソナルジムがテレビCMを打つたびに、Instagramでのリアルワークアウト広告のクリック率が上昇。
「気になっているけど、価格的に手が届かない」と思っていた人に、「手が届く額で同じサービスが受けられる」という広告がひたすら表示されることで、マジョリティ層のパーソナルトレーニング市場が開拓されていった。

こうしてリアルワークアウトは、創業から1~2年はInstagram広告だけで、目標会員数を次々に達成、店舗展開を加速していった。

この創業期を支えたInstagramだが、2021年に広告出稿をやめ、今後はTikTokに絞ることを計画しているという。理由は、創業期にInstagramを選んだのと同様だ。
Instagramは既に広告出稿数が多く、広告費も上昇、クリック率も下がってきている。
一方、TikTokは、ユーザー数は増えている一方で、広告出稿数はまだ少ない。TikTokのユーザー層は、かなり若年層というイメージがあるが、Instagramも3年前は同様のユーザー層だった。

SNSはユーザーが増えるにつれて、属性やエリア属性で広告の出稿条件を詳細に設定することが可能になるが、TikTokも既に条件設定が可能で、効率も確保できると判断。
現在テストマーケティングとして広告出稿をはじめているが、想定どおりの効果が見られているという。

ドミナント出店で、地域名での検索で優位に

リアルワークアウト広告素材

パーソナルジム市場で競合が増えるにしたって、強化しているのがSEO対策だ。基本となるのは、自社のホームページとランディングページの整備、および「パーソナルジム×地域」でのキーワード検索の対策となる。

「パーソナルジム」「パーソナルトレーニング」の市場が拡大して、認知が進んだ今では、これらのキーワードを入力して検索する人も増えている。
そこで、キーワード検索結果の上位表示と、クリックされた後に表示されるページのわかりやすさがカギとなる。

ここでリアルワークアウトの施策として特徴的なのがドミナント出店である。
「ドミナント出店」とは、商業施設などの出店戦略の一つで、地域を絞って複数店舗出店することで、その地域での知名度を上げたり、運営効率の向上を狙うもの。これをSEOにおいても有効な戦略として活用している。

たとえば、リアルワークアウトは世田谷区内に6店舗あり、Googleがそれを認識しやすいようにホームページを構成し、Googleマイビジネスに登録しておくことで、「パーソナルジム×世田谷」でのドメインパワーが上がりやすくなる。

SEOが強くなると、GoogleのMEO(地図表示対策)も紐づいているため、Googleマップ上でもSEO対策の効果が効いてくる。
MEOは、間違っていない情報を挙げておく、情報更新の頻度を上げるなど、お金をかけなくとも対策が可能で、店舗スタッフで対応できる内容。
ドミナント出店で、それぞれにSEO、MEO対策を講じることで、相乗効果が得られ、6店舗すべてが上位表示されるようになる。
現状では、このオーガニック検索からの流入が、全流入の4割くらいを占めるようになっているという。

コンセプト設計とコピーライティングが 最重要

こうしたWebマーケティングの効果を支える最も重要なポイントとして土屋さんが挙げるのがコピーライティングである。
ここに時間もお金もかけているという。

リアルワークアウトのコンセプトを表現する「サステナブルボディ」もその一つ。「高級なパーソナルジム」に興味を持つ層に「低価格、継続型ジム」と言っても響かない。
そこで、2018年にビジネスのトレンドワードとなっていた「サステナビリティ」をキャッチに入れることで、トレンド感と品質も乗せながら認知を広げることを狙った。

広告コンテンツの制作プロセスは、土屋さんがディレクターとしてコンセプトをつくり、コピーライターが言語化、それをデザイナーがビジュアル化していく。
そしてWeb施策の実務担当、SEO担当を含めた4人が専属クリエイティブ
チームとして、Web上に展開していく。
Web上での顧客接点から、来館したときの体験価値を整合させるべく、リアルワークアウトのロゴや、公式サイト、SNSで展開するクリエイティブはもとより、トレーナー募集のSNS運用から、会社案内、入社後のパンフレットまで、このチームが制作している。

こうした顧客に直接見えないところにもこだわって、時間もお金もかけている一方で、やらないことも決めている。それは、ビフォー・アフターの写真を利用すること。
大手も含み、多くのパーソナルジムが広告の一つとして採用するこの訴求方法は、宣伝効果的には非常に有効な手段ではある。
だが、リアルワークアウトでこ方法をとらないのは、土屋さん曰く「シンプルにダサいから」。

デザイン思考で経営を組み立てるリアルワークアウトは、クライアントとの共感が最重要で、ビジネスモデル的にも、クライアントに継続していただくことで価値を提供していくことから、ブランドに魅力やロイヤリティを感じてもらうことが大切だ。
「短期的にクリック率が伸びても、それによってブランドが毀損するのであれば、中長期的なポジションを見据えてやらない」という。

土屋さんはまた、「これはコピーライターが相棒だったからできたこと。相棒がマーケターだったら、反対されていたはず。全員がマーケターだと合理的になる半面、合理的なことをすればするほどファンはつくりづらくなる。
一見無駄に見えることだけど、それがカッコいいほうが深いファンがつくれる」とも話している。

自身のサービスに共感が得られる メディアを選んで、1点集中

最後に、土屋さんにWebマーケターとして、フリーで活動するトレーナーができることについて訊くと、「すべての集客予算も工数も1点集中してPDCAを回すほうがいい」とアドバイスする。

現状のWebマーケティングの世界では、SEOもSNSも、記事の投稿やコンテンツの更新だけでは効果が限定的となる。
自分のサービスに合うチャネルを選んで、広告費も月数万円でいいので運用し、費用対効果を検証していくことを勧めている。

広告費をかけることで、Web上での人の動きや反応に敏感になり、広告費をかけることでドメインやアカウントのパワーが上がり日々の施策も活きてくる。
広告運用も代理店を使わず、気心の知れたマーケターと一緒に進めることが重要だという。

Webマーケティングのリテラシーを高めることで、ユーザーインサイトへの理解も進み、サービス改善、スタッフ採用~教育をはじめ、ビジネス全体を最適化させていくこともできると土屋さんは言う。

参考まで、リアルワークアウトではKPIとして、CPA(予約獲得単価)、来店率、入会率、再契約率を置いて、各施策を改善している。
現在、顧客獲得単価は、5,000円~15,000円とばらつきがある。
来店率は、前日の電話フォローにより100%、入会率は70%以上、再契約率は70%以上を目標に置き、Web施策以外のオペレーションは、人事採用教育チームを中心に改善を続けている。

土屋さんは、「マーケティングは、最後のアウトプット。コンセプトの設計をしっかりすれば、自ずと、チャネルやクリエイティブも決まっていく。
マーケティングはあくまで手法なので、目的化し過ぎず、まず何を伝えたいのかを明確にし、それを伝えるのに最も効果的な方法を導き出すことが重要」と話す。

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