掲載日:2022年03月01日  更新:2022年03月28日

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【ピラティス・ヨガの最新事情2022】#1 参加者の動向①

コロナ禍による生活様式の変容とともにヨガ・ピラティスに新たな市場と新たな価値が生まれている。
2022年に注目されるヨガ・ピラティス業界の最新動向について、業界識者に訊いた。

「心と身体は一つ」という本質的メッセージが伝わり始めた

zen placeでは、ピラティス・ヨガを「マインドフルムーブメント」と位置づけ、脳神経にアプローチすることで身体だけでなくメンタル面への効果、心と身体のつながりを重視したサービスを行っている。
コロナ禍が長期化する中、メンタル面への効果を感じてピラティス・ヨガを継続する人が増えている。

zen placeエデュケーターのMakiさんは、「マインドフルムーブメントとしてのピラティス・ヨガの効果を感じていただきやすくなった」と話す。
「zen placeでは、レッスン前トークで、エクササイズの身体への効果だけでなく、身体と脳やメンタルがどう関係しているかといった話もします。例えば、コロナ禍で激変する社会環境の中で、脳の動きも暴走しやすく、不安でいっぱいになりがちですが、呼吸や自身の身体の動きに注目することで、脳や心の動きを静めることができます。ピラティスやヨガで身体の状態や動きに向き合うことで自分の状態に気づき、脳や心の状態を最適化していくことができることを伝えると、参加者の方々は、うなづきながら聞いてくれます。20代の若い女性の体験も増えているのですが、高い割合で入会してくださるのも、こうしたメンタル面とフィジカル面を分けないという考え方に共感されているんだと思います」

zen placeではコロナ禍に入ってすぐに全スタジオクラスをハイブリッド化したが、レッスンでも、参加者一人ひとりが自分の感覚に目を向けるキューイングやコミュニケーションを大切にしていることから、オンラインでもスタジオ同様の心身の効果が感じられる。

こうした背景もあり、コロナ禍が長期化する中でも、会員数も利用者も順調に推移しているという。

脳の最適化によるメンタル面への効果認知を高めるCBDとシックスセンス

zen placeでは、ピラティス・ヨガを中心に、ライフスタイルをトータルにサポートすることでホリスティックウェルネスの実現を目指しており、脳の最適化によるメンタル面の安定やリラックス効果、睡眠の質を高めるための施策もスタートしている。

その一つが、CBDオイルの販売である。
CBDオイルとは、大麻草から採取される物質を原料とした植物由来の健康食品で、口から接種するとリラックスや安眠効果が得られるとして、近年女性誌などでも話題となっている。
これをサプリメントとして摂取し、ピラティス・ヨガを行うことで心を落ち着かせてエクササイズができたり、夜の睡眠の質を高めることができると言われている。

2021年11月には、スタジオプログラムとして「シックスセンス」を開発。
照明を消したスタジオの大きいモニターに音楽に合わせて映像を映し出し、映像と音楽を感じながらエクササイズすることで、全身の調和・内観意識を高めることができるという。
この映像も、zen placeが開発したもので、スタジオで脳の状態を最適化できることで、リアルレッスンの付加価値を高めることができる。

短期的な美しさより、長期的なくらしの豊かさへのニーズが高まる

オンライン専業のフィットネスサービス最大手SOELUは、コロナ禍で大きくユーザー数を伸ばして以来、withコロナに人々の生活が移行した現在も、高い定着率でユーザー数を伸ばしている。

同社取締役の越塚麻未さんはその経緯をこう話す。
「SOELUは2014年にメディア事業をスタートしましたが、その後事業をピボットする中で、2017年に当時最も成長性があると判断されたオンラインヨガを軸に事業の再構築をしました。コロナ禍で成長できた要因のひとつに、2019年にリブランドさせたことがあります。もともと女性向けのサービスとして位置づけていたので、可愛らしい世界観だったのですが、現代の女性に受け入れられるスマートなイメージに変え、『続く健康をあたりまえに』という企業理念も、『フィットネスと暮らそう』という日常に溶け込みやすいメッセージとしました。コロナ禍が本格化した2020年の緊急事態宣言中には、その当時すでに1日のレッスン数は100を超え、インスト
ラクターも150名ほど在籍している日本最大級のオンラインフィットネスであったことも功を奏し、ニュースメディアなどでの露出も増え、利用者数を前年比7倍と大きく成長させることができました」

ステイホームの長期化とともに、ユーザーも右肩上がりを続けており、利用者の1年以上継続率も8割と高い。利用者はフィットネス経験者が多く、平均利用回数は月8回。
SOELUの利用目的も、「ダイエット」よりも「生活が豊かになる」という長期的な視点を持つユーザーが多いことが特徴となっており、ここ数年フィットネス業界でブームが続いているパーソナルジムの「短期間で効果的なダイエット」と対局にある志向を持っていることが伺える。

モデルやK-POPアイドルの投稿で、ピラティスのボディメイク・美容ニーズが高まる

株式会社LIFE CREATEが運営するマシンピラティススタジオ「ピラティスK」では、業界に先駆けて、“ボディメイクのためのピラティス”を訴求したマーケティングをしてきているが、コロナ禍の運動不足解消ニーズとダイエットニーズの高まりの中で、ピラティスライト層からの注目が高まっているという。

この動向を後押しするのが、InstagramでのK-POPアイドルや、韓国や日本国内のインフルエンサーによるマシンピラティスシーンの投稿で
ある。
近年、同様の流れで韓国コスメも人気だが、美容やボディメイクに興味を持つ若年層女子にとっては、「韓国ボディメイク」としてマシンピラティスに興味を持つ女性が増えていると考えられる。
こうした層は、「おしゃれ」であることに敏感であることから、この層の女性にターゲットすべく「おしゃれな空間」を訴求するピラティススタ
ジオも増えてきている。

PHIピラティスジャパンの本部スタジオでも、最近20~30代の女性クライアントが増えている。PHIピラティスアジア局長でもある桑原匠司さんも、そのきっかけとして、韓国アイドルブームを挙げている。

韓国では、ピラティスの浸透も日本より早く、ピラティス市場も大きい。
韓国ではピラティスがトレーニングに採り入れられることも多く、そうした写真がInstagramに投稿され、韓国アイドルや韓国コスメに興味を持つ日本の女性たちにも、ピラティスの認知が急速に広がっている。
特に、タワーやリフォーマーなど、マシンピラティスの投稿が多いという。
コロナ禍で、個室型パーソナルトレーニング市場も拡大してきているが、「マシンピラティス」の「パーソナルトレーニング」市場も拡大してきている。

「仕事帰りの一杯」が、「仕事帰りのピラティス」に

整形外科医でコンプリヘンシブ・ピラティスティーチャーとしてピラティスラボを経営する武田淳也さんが注目するのが、夕方18時~19時台のスタジオレッスンの稼働率が高まっていることである。
以前は、スタジオのピークタイムは20時前後の時間帯で、参加者も不定期に通う人が多かった。

コロナ禍でリモートワークが浸透したことや、緊急事態宣言やまん延防止策などで飲食店での酒類の提供がない期間があったことで、「仕事帰りの一杯」という機会がなくなり、エクササイズを習慣化しやすい環境ができたと考えられる。

また、武田さんは、クリニックの患者さんへのヒアリングでも、コロナ禍が長引いたことで、さすがに運動不足をどうにかしようと行動する人が増えており、個室パーソナルジムに通い始めたり、自分なりに運動をスタートする人が増えているという。

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