東京都中央区湾岸エリア、勝どきに位置する「THE TOKYO TOWERS」は、2005年に完成した日本のタワーマンションの先駆けであり、現在2,800世帯・8,000人が暮らす日本最大級の集合住宅。
この大規模なマンションでは、ヨガやピラティスなどウェルネスを通じた新しいコミュニティが広がりつつある。
「 Community Yoga Tokyo」(以下、CYT )は、8年前に、ヨガサークルとしてスタート。
マンションの共有スペースや近隣の寺院を利用した週11回の対面クラスのほか、オンラインでも週14回のレッスンを安価に提供。現在650人が公式LINEに登録しており、マンション住人を中心に、月当たり延べ約200人が参加している。
CYTの小澤津奈子代表はその経緯についてこう話す。
「この勝どきエリアは、人口が増え続けている一方で、隣人との関わりが希薄で、挨拶すら交わさない状況が、まるでマナーであるかのように日常化しています。
しかし、年々CYTの参加者が増えるにつれ、メンバー同士のゆるいつながりこそ、かけがえのないものだと実感できるようになりました。
レッスン後の短いお茶時間に交わす、なにげない会話や情報交換。CYTを媒介して、58階建てのタワーマンションであるにもかかわらず、昔ながらの長屋のように隣人を知り、地域を知ることができるコミュニティが醸成されているのです。
昨今の自然災害の増加や首都直下型地震のリスクを考えると、この、他者に踏み込みすぎない淡い交わりが、有事の際の助け合いにつながるのではないか、ウェルネスを通じて生まれるコミュニティが社会的な課題解決の一助になり得るのではないかと考えます」
CYTは、2021年にNPO法人化され、マンション管理組合や防災委員会、自治会、行政、寺院などとも連携。地域や隣人とのコミュニティを生むことで、タワーマンションを現代の「縦の長屋」にすることを目指している。
「 防災の重要な要素は人と人とのつながり」として、CYTの活動に賛同してくださる方には寄付を募り、さまざまなボランティア活動への呼びかけもしている。意識の高い方たちほど、ボランティア活動にも積極的に参加し、「地域をよくしたい」「社会貢献をしたい」という熱意から、災害対応力も向上している。
『防災ランタンヨガ』も、CYTメンバーからの発案。レインボーブリッジや都心の夜景を一望できる芝生で、ランタンの優しい光を灯し、幻想的な雰囲気の中で行われるこのヨガクラスは、防災訓練としての意味合いを持つ。
レッスン前には中央区の防災アプリをダウンロードし、電気が使えない状況を想定し、スマホのライトにペットボトルを乗せて光を拡散させて環境作り。ヨガの片鼻呼吸で自律神経を整え、非常時にパニックを防ぐ練習をする。終わりには、中央区防災課から支給される、防災非常食を配布し、この日に備蓄品の賞味期限のチェックを促している。
小澤さんは
「CYTでは、今後もウェルネス体験を通じて、心身ともに良好な状態を維持しながら、顔の見えるつながりを築き、有事にも速やかに対応できるコミュニティを目指して活動を続けていきたい」
と話している。






