日本の政令都市として3番目に大きい名古屋市。国際空港も近く、東西交通の要衝としての立地も活かして、ウェルネスを通じて関係人口を増やし、リピーターを増やして、都市としての価値を高める取り組みが進められている。
2022年11月、名古屋市が「ウェルネスタイルなごや」のブランド名とともに、ウェルネスツーリズムのデスティネーションとして認知度を高める取り組みをスタートさせた。その事務局を務める名古屋観光コンベンションビューローの中山理代さんは、こう話す。
「 コロナ禍での行動制限をきっかけに、人々の旅行に対する意識が変わってきています。
単に『楽しかった』というだけでなく、『リフレッシュ』『リラックス』『原点回帰』などを求める方が増えて、世界的にも『ウェルネスツーリズム』として、その動向が注目されています。
そうした中、名古屋市は、比較的大きな都市でありながら、緑が豊富で、サウナの聖地として知られていたり、味噌や醤油をはじめ醸造食品がすべて揃っているなど、ウェルネスコンテンツが豊富にあります。
こうしたコンテンツを磨き上げながら、国内外に情報を発信していくことで、名古屋に訪れていただき、それぞれの方にとってのウェルネスを見つけていただきたいと取り組みを進めています」
名古屋市では、2024 年のWWWでは「Nagoya Wellness weekend」として、名古屋国際会議場イベントホールにて、3,000人規模のウェルネスイベントを企画している。世界とつながる国際的なウェルネスイベントで、「Nagoya」の存在をアピールする。
その先で2024年11月2~3日には、15,000人規模のウェルネスイベント「ウェルネスワールドナゴヤ」の準備も進んでいる。こちらは中京テレビ放送主催で、その放映エリアの三重、岐阜、静岡に向けて、名古屋のウェルネスの魅力を発信、エリア内からの観光誘客に繋げていく計画だ。
これまでも、名古屋観光コンベンションビューロー主催の「ロゲイニング in なごや(ロゲなご 2023 )」が、スポーツツーリズムにおけるスポーツ振興賞で大賞を受賞したほか、毎年3月に、「ウィメンズマラソン」が開催されており、参加者2万人に向けて、ウェルネスサービスを提供する取り組みもスタートするなど、スポーツの側面からも、ウェルネスツーリズムを振興している。
「 Nagoya Wellness Weekend」と、「ウェルネスワールドナゴヤ」の2つのイベントを企画提案した名古屋市観光文化交流局の柳原貴人さんは、「名古屋市の人にも、名古屋でのウェルネス体験を通じて、名古屋の魅力を改めて感じて、発信してもらえる機会にもしたいです。
ウェルネスは、地域振興以前に、個人の幸せにつながります。まずは名古屋市の方々に、自分に合ったウェルネスを見つけていただきたい」と話している。