掲載日:2023年06月27日  更新:2023年07月05日

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【INTERVIEW】東海大学が大学院「健康学研究科(修士課程)」を新設 2023年4月、湘南キャンパスにて

課題先進国日本が直面する健康課題にいち早く取り組む、東海大学大学院「健康学研究科」における可能性について、東海大学健康学部教授の有賀誠司教授に訊く

「健康学研究科」の設立経緯について教えてください。

東海大学は、創立から約80年の歴史を持つ総合大学で、社会環境の変化に合わせて、学部学科の再編を進めてきています。

その中で、課題先進国と言われる日本がいち早く直面する健康課題に対応する教育・研究の場として、2018年に「健康学部」が新設されました。

2025年問題が目前に迫り、少子高齢化が深刻化するなかで、健康増進や介護予防をはじめとした課題解決には、“健康”をより広い視野で捉えることが必要です。ヘルスケアビジネスや、自治体における産官学連携での社会福祉事業の成功事例も増えてきており、業界や組織の枠を超えた連携が進んでいます。

より広い視野での情報収集と、多角的な分析や統合理解を可能にする場として、「健康学部」を設立してから6年が経つ2023年4月、修士課程となる「健康学研究科」を新設しました。研究を実社会に還元するまでをサポートするべく、研究科には「健康マネジメント学専攻」が設置されています。

人や組織のマッチングもサポートしていきます。すでに社会人として健康分野で活動している方や、自治体で健康まちづくりに携わっている方などにも、事業の立ち上げやネットワークの拡大に活用いただける学びと出逢いを創出していきます。

健康分野のプロフェッショナルとして活 動していくうえで、どのような機会が得られ ますか?

幅広い分野の研究者や専門家、事業者や行政関係者と連携して、追求したい研究や、解決したい課題に合わせて、学びの環境をコーディネートできます。

東海大学の担当教員だけでも、さまざまな分野の専門家がいます。「自治体の医療費を減らすにはどうしたらよいか」「運動効果の評価研究」「コミュニティづくり」「高齢者のタンパク質摂取」「メンタルヘルスの研究」をはじめ、多様な社会課題にも対応できるネットワークがあります。

ICTの進化で、健康情報や生体データ、行動データなどが溢れる中、データの取り扱いを含めた研究に関する技術を習得し、健康事業で問われることの多い「データサイエンス」にも理解を深めることができます。

また、大学院では、自己開拓型のフィールドワークを通じて、社会課題解決に向けた取り組みを実感として学ぶ機会も得られます。
フィットネス業界からは、株式会社ルネサンス副社長の望月美佐緒さんに健康学部の客員教授に就任いただき、同社のヘルスケアの取り組みや、女性のキャリアアップについてなどの学びを共有いただく予定です。

日本では近い将来、世界のどの国も経験していない、想定できないような課題が生じてくる可能性があります。ただ見方を変えれば、課題はチャンス。
新たな課題に自身が防衛できるだけでなく、課題を事前に察知して、民間ビジネスや自治体事業として解決できる力とネットワークを手に入れ、そのチャンスを掴む一歩を踏み出していただければと思います。

有賀誠司 教授

東海大学 健康学部教授 大学院健康学研究科 研究科長

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