健康運動指導士は取得する以前にどんな資格?
健康運動指導士は「財団法人健康・体力づくり事業財団」によって設立された民間資格になります。
国民の健康・体力づくりのための運動を担う指導者の養成・輩出することが目的とされています。
健康運動指導士の具体的な役割としては、以下のようなものがあります。
・安全で効果的な運動を実施するための運動プログラムの作成
・実践指導計画の調整等を行う
さらに詳しい仕事内容も見ていきましょう。
仕事内容
健康運動指導士は、生活習慣病や介護予防の一端を担うスペシャリストとしての活躍が期待されています。
具体的な仕事は以下のようなものになります。
・子どもから大人までの幅広い年代を対象に、生活習慣病の予防のための運動指導
・フィットネスクラブで、パーソナルトレーナーや個人での運動教室を開く
・高齢者への運動指導、食事指導を行う
健康運動指導士の仕事内容は、働く場所などによっても変わってきますが、運動を通じて多くの人の健康を支えていくという部分は共通しています。
健康運動実践指導者との違い
同じ健康・体力づくり事業財団が認定している資格に「運動実践指導者」というものがあります。
健康運動指導士と名前は似ていますが、役割には違いがあります。
健康運動実践指導者は、名前の通り「実践指導」に特化した資格になります。
そのため、自ら見本を示す実技能力や集団に対する運動指導の技術が必要になってきます。
健康運動指導士の資格を取得する方法は?
健康運動指導士の資格は、認定試験に合格することによって取得することができます。
ただし、認定試験を受けるには以下の条件を満たしている必要があります。
・健康運動指導士養成講習会を受講する
・健康運動指導士養成校の養成講座を修了する
以下で詳しく見ていきます。
講習会を受講する
健康運動指導士養成講習会を参加する場合も、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
① 歯科医師、看護師、准看護師、助産師、薬剤師、栄養士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師(いずれかの資格を保有している4年制大学以上の卒業者)
② 医師、保健師、管理栄養士
③ 4年制の体育大学(教育学部体育系を含む)の卒業者
④ 健康運動実践指導者、スポーツプログラマー、アスレティックトレーナー、フィットネストレーナー、GFIエグザミナー、GFIディレクター(いずれかの資格を保有している者)
上記の①〜④の受験資格は、それぞれによって必要な単位数が変わってきます。
①に該当する場合は104単位、②は70単位、③は51単位、④は40単位が必要単位数になっています。
必要単位数が少ないほど、受講する科目も少なくなってきます。
①〜④のいずれかの資格を保有していれば養成校に通う必要はないので、資格を活かして講習を受けることがおすすめになります。
養成校に通い試験を受ける
講習を受ける資格を持っていない方は、健康運動指導士養成校へ入校する必要があります。
養成校は全国各地にあり、なかには栄養士・栄養管理士と健康運動指導士の両方の資格を取得できる養成校もあります。
詳しい内容は、健康・体力づくり事業財団の「健康運動指導士養成校のご紹介」で確認することができます。
認定試験に合格する
ここまでに説明してきた、「講習会の受講」または、「養成校の講座の終了」の条件を満たしている方は、認定試験を受験することができます。
認定試験は筆記試験で、年に3回(3月・9月・11月)行われます。
2020年の健康運動指導士認定試験での全体の合格率は、57.2%でした。
難易度が高い試験ではないですが、出題範囲が広いのが特徴となっています。
講習会での内容やテキストの内容をしっかりと勉強していけば、合格することは決して難しくないでしょう。
健康運動指導士の資格を取得して働こう
健康運動指導士の資格を取得したら、それを活かした仕事をしたいと考えると思います。
働き方としては、民間企業に就職する場合や独立して活動する場合などがあります。
では、実際に健康運動指導士の資格を持つ方は、どんな働き方をしているのか見ていきましょう。
就職先・活躍の場
「健康・体力づくり事業財団」のデータによると、健康運動指導士は全国で18,332人います。(令和2年3月1日現在)
そのなかで主な職場は以下のようになっています。
・アスレチッククラブ・フィットネスクラブ:4124人
・診療所・病院等:2,930人
・介護老人保健・福祉施設:1,223人
・保健所等:1,418人
・学校:1,113人
・フリーでの活動等:2,343人
(出典:健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士とは」)
フィットネスクラブなどの運動施設だけではなく、病院や福祉施設など幅広く活動されていることが分かります。
その他にも公共施設や自治体が運営する健康づくり教室、介護予防教室なども健康運動指導士の資格を持っていると有利になります。
雇用形態
健康運動指導士の雇用形態は正社員の場合が多いですが、契約社員やアルバイト、フリーランスといった働き方をしている方もいます。
とくに、フィットネスクラブなどで経験を積んでから、起業したり独立する場合もあります。
健康運動指導士の認知度はまだ決して高くないですが、資格を活かして活躍する人も増えてきています。