掲載日:2022年02月27日  更新:2022年12月05日

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理学療法士の資格取得後の働き先や今後の将来性について解説

リハビリテーションの専門家である理学療法士が資格を取得してからの働き先で代表的なのは病院ですが、それ以外ではどのような場所や分野があるのでしょうか?

リハビリテーションの専門家である理学療法士が資格を取得してからの働き先で代表的なのは病院ですが、それ以外ではどのような場所や分野があるのでしょうか?
高齢化社会の中でますます需要が増えている業界が、理学療法士やリハビリテーションの分野であり、将来性が期待されています。
今回は、理学療法士の活躍している場所や分野、今後の将来性について解説していきます。

理学療法士とはどんな資格?

理学療法士とはリハビリテーションを専門とする厚生労働大臣から認可をうけた国家資格です。リハビリテーションの中でも、身体機能のスペシャリストとして、立ち座りや歩くなどの動作の分析と改善を得意としています。
具体的に、どんな場面でどんな人々のサポートをしているのか紹介します。

身体機能の保持・増進を目指した健康管理

理学療法士は、対象とする人が自力で立ち上がったり歩いたりすることに必要な身体機能の維持と増進を目指した健康管理をしています。病気や怪我をした人は医師による治療期間に体力が落ちて機能が低下することが多く、高齢になるとその傾向は強くなります。理学療法士がおこなうリハビリテーションは、その人にあった身体運動を促して、体力を向上させて日常生活が送れるようにサポートしています。

寝たきり、閉じこもりの人たちの生活を考える

地域で働く理学療法士に求められている大事な役割は、寝たきりや閉じこもりになりがちな人たちの生活をリハビリテーションの視点から考えることです。病気や怪我がきっかけで、自分の体力に自信が持てなくなり、将来やりたいことが見つからずに意欲を失いかけている人もいます。
理学療法士は地域の担当者と連携して、その人らしい生き生きとした生活をみつける支援をしています。

病院を退院した障害も持つ人が家で生活するためには、今までの生活環境を整備する必要が出てくる場面があります。手すりをつける、段差の解消やベッドを導入するなどの環境を整備したり、家族へ介護のアドバイスをしたりすることも理学療法士がおこなうリハビリテーションの大事な役割の1つです。

障害をもつ子供たちにリハビリを提供

生まれながら、もしくは幼くして障害を抱えている小児にリハビリテーションを提供することも理学療法士が担っている分野です。小児のリハビリテーションは、本人の成長過程を考えて、本人だけでなく、家族へのサポートをすることも重要であり、日常生活に加えて学業や仕事がスムーズにできる方法を共に考えていきます。

資格を持った理学療法士の仕事内容と出来ること

理学療法士は名称独占と呼ばれている資格を持つものだけがその名称を名乗って業務をすることが許されている国家資格です。理学療法士が医師から依頼を受けて、患者に提供するリハビリテーションの内容には以下の3つがあります。
・関節を動かしたり、動作練習を行う徒手療法
・温熱や電気、超音波の治療器を用いる物理療法
・本人や家族、関わっていく介護職への動作指導やアドバイス

理学療法士業務の一日

理学療法士の業務の中心は患者一人一人への個別介入であり、一日の大半を患者対応の時間に当てています。一般的な若手理学療法士のタイムスケジュールは以下の流れになります
8:30~ 担当患者の申し送りや連絡事項などのミーティング
9:00~ 担当患者へのリハビリテーション介入
12:00~ 昼食・休憩
13:00~ 担当患者へのリハビリテーション介入
17:00~ 後片付けやカルテ・その他の書類の作成
17:30  業務終了
この他に、1週間に1度のペースで医師や看護師とのカンファレンスや退院する時期には家族も含めた担当者会議に参加する予定が組み込まれていきます。

理学療法士に向いている人

理学療法士に向いていている人は、
理学療法士は、専門的な知識や技術以外にも向いている性格や求められる資質があります。
具体的には、以下の3点の資質が求められます。

・コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は患者との良好な関係を築くことはもちろんですが、他の医療職と適切な情報共有をしていくためにも大切です。特に、円滑なチーム医療を進めるためにも身につけたいスキルといえます。

・学び続ける向上心
理学療法士は免許を取得して実際に働き始めても、常に学び続ける向上心を持つことが求められます。新しい知識や技術を習得する姿勢を持つことで、目の前の対象者に最善のリハビリテーションを提供することができるからです。

・人に寄り添い、共感する力
理学療法士が対象とする人の中には、障害を抱えることで精神面の回復が追いついてこない場面が多くあります。理学療法士は対象者に寄り添い、辛い気持ちに共感することで、精神面の支えとなることも大事な仕事の一つです。

上記に挙げた資質は最初から具わっていなければ理学療法士を志すことができないものではなく、勉強や仕事での成長の過程を通して身に付けていく能力であるといえます。

給与面や残業・夜勤などの待遇

理学療法士の給与は「平成27年 賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によると、平均月収は27.4万円、年間ボーナスは63.9万円となっています収入による男女差はほとんどありません。
理学療法士は、患者さんに介入した時間に比例して医療費が発生する仕組みになっていて、法律によって1週間に患者さんにリハビリテーションをしても良い時間が決められています。そのため、過剰な時間の業務はできない構造になっているので、書類作成や雑務の多さにもよりますが、過剰な残業になる可能性は低い職業です。また、看護士や介護士と違い、夜勤の勤務はないため、子どもを育てる女性でも仕事を続けやすい環境といえます。

理学療法士の強み

理学療法士が持つの最大の強みは、対象者の抱える身体機能や家屋環境の問題点を把握し、改善につながる具体的な方法を提示できることです。理学療法士は病気ではなく対象者の身体機能そのものを評価・分析し、日常生活の活動が出来るかどうかを対象にしているため、個別性を持った対応をすることが可能です。

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