掲載日:2023年06月09日  更新:2023年06月09日

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スポーツを活用した健康・福祉、教育で経済の活性化へ

「スポーツでつなぐ美浜の未来」

 美浜町(愛知県)は、愛知県知多半島の先端付近に位置する、港町。人口は現在約 21,000人で、減少傾向にあるものの、海、山、川と自然資源が豊富で、国際空港のセントレア空港から車で30分、名古屋からも車で50分と、国内外からのアクセスも良く、将来的にインバウンドを含めた施策での地域創生が期待できる。
 この美浜町で、みらい株式会社の中村健太さんは、2024年に竣工が予定されている「美浜町運動公園(陸上競技場)」を中心とした、美浜町スポーツまちづくりに関わるようになり、現在はファシリテーションと実証事業を行っている。「美浜町は自然が豊かで、スポーツや健康促進をするうえでアウトドアのアクティビティも活用できます。また、新設される美浜町運動公園だけではなく、隣には日本福祉大学があり、福祉の充実への人材育成の場もあります。このようなポテンシャルを町の課題でもある人口減少や少子化対策にしていけると考え、『健康·福祉』、『教育』にスポーツを活用して連動させることで、地域経済の活性化につなげていこうと、地域の関係者の方々と意見交換を重ねてきました。そしてまずはビジョンを明確にして、そこに向けてミッション、バリューに落とし込んでいきました」
 町、大学、商工会、スポーツ協会、メディア、住民の方々と連携してスポーツまちづくりを進めるべく、話し合いを重ね、『スポーツでつなぐ美浜の未来』をスローガンに、インナー施策とアウター施策ともに、実証事業をスタートさせた。
 インナー施策としては、子どもたちの体力運動能力の向上を最優先としながら、英語教育を伸ばしていきたいとの要望を踏まえスポーツを活用した英語教育を開発。「English Sports Camp 」として、英語でコミュニケーションをとりながらスポーツをするという、アウトプット型の英語プログラムを小学生を対象に実施した。日本の英語教育はインプットが8割といわれる中、このプログラムが学校の先生にも好評で、令和5年度から小学校の授業に導入されることとなった。
 アウター施策としては、スポーツチームの合宿誘致の準備として、ワールドカップ日本代表専属シェフの西芳照さんを招いて、美浜町の宿泊事業者とシェフを対象に、スポーツ合宿、⼤会誘致のおもてなし強化を図った。地元食材をつかったアスリート向けの食事開発ワークショップも開催予定となっている。また、筑波大学蹴球部の小井土正亮監督を招いて、スポーツ合宿で利用する立場からの視点を共有する機会を創った。

町、大学、商工会、スポーツ協会、メディア、住民の方々と連携してスポーツまちづくりを進めている。

 成人向けにはアウトドアフィットネスのプログラムを実施。パフォーマンスディレクターであり、日本人初のメジャーリーグヘッドストレングスコーチの友岡和彦さんが開発した機能改善のためのコンディショニングプログラムで、運動しながら腰痛や肩こりなどを解消することで、アクティブに動ける身体を取り戻し、生活習慣の改善につなげていく。
 さらに、高齢者向けには、安全かつ適度な運動強度を知ってもらうべく、デジタルを活用した運動教室を実施。リアルタイムで心拍数が表示されるMyZONEを着用して、安全に運動ができるプログラムとなっている。
 今後は、地元の中学校高校の部活動指導や、ジュニアアスリートのタレント発掘事業、日本福祉大学と連携したスポーツまちづくりの担い手育成などで、地域のポテンシャルを引き出す取り組みに繋げていくことを計画している。

中村健太さん みらい株式会社 取締役 ディレクター クリードパフォーマンス 代表取締役

地域とのパートナーシップで、スポーツを通じた地方創生を支援しています。みらい株式会社がビジョンと全体構想を支援し、ソフト面はクリードパフォーマンスの友岡和彦さんが開発を担当し、持続可能性の高い事業づくりでトレーナーやスポーツ指導者の活躍の場も広げていきます

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