掲載日:2023年06月14日  更新:2023年06月09日

NEW

さいたま市で「マイスポ」イベント

体力測定とスポーツ体験でスポーツを始めるきっかけを

 さいたま市(埼玉県)は、日本の政令都市のひとつで、人口は125万人、子どもだけでも 60万人がいる。スポーツを通じたまちづくりにも積極的で、大規模なスポーツイベントなどの施策も注目されている。
 そのさいたま市のスポーツ協会からの委託事業として、市内4ヶ所の体育館で実施されている体力測定イベント「マイスポ」に、合計 1,600組の親子が参加、市内の親子のスポーツ参加率を高める取り組みとして、2022年「第 11回健康寿命をのばそう!アワード」でスポーツ庁長官優秀賞を受賞した。「マイスポ」は、体力測定とスポーツ体験がセットになったイベントで、主に3つの特長がある。
 一つは、体力測定の結果をもとに、各自の体格と身体能力に合うスポーツを知ることができること。体力測定は、小・中学校などで実施している「新体力テスト」の種目を参考にし、より簡易的な測定法で体格や敏捷性、走る、跳ぶなどのパフォーマンス力に合わせて、102種類のスポーツ競技の中から、合うスポーツが数種類レコメンドされる。
 二つめが、その結果をもとに、その場でスポーツ体験ができること。会場では、近隣でスポーツ教室を実施しているフィットネス事業者やスクール事業者などが体験会を企画・実施しており、体力測定で自分の身体の状態に興味を持ったその場でスポーツ体験をすることで、スポーツ参加へのきっかけがつかめる。また、実際に近隣のフィットネスクラブやスクールに参加して、スポーツ参加を継続する機会も提供できることがある。
 三つめが、親子で参加できること。親子で体力測定をすることで、家族がそれぞれ自身の身体の状態を知ることができるとともに、コミュニケーションが生まれて、家族で健康づくりやスポーツ参加のきっかけがつかめるようなる。

体力測定結果から分かる自分に合うスポーツをその場で体験することで、スポーツ参加へのきっかけがつかめる

 体験できるスポーツ・運動は、6~9種類用意され、体を動かす機会だけでなく、食事診断や、応急処置体験などのブースも並び、「スポーツ縁日」のように楽しめる。スタンプカードを用意し、3種類以上体験するとプレゼントがもらえる設定にして、さまざまな体験の中で、楽しく続けられるものが見つけられるようになっている。「マイスポ」の運営スタッフとして、近隣で活動する学生トレーナーや、大学、専門学校生にインターンとして協力してもらうことで、イベントの持続可能性を高め、将来の健康まちづくりの担い手を育てることも企図している。「マイスポ」を運営する株式会社ウィンゲートの遠山健太さんは、健康まちづくりへの活用について、こう話す。「さいたま市では、市長や市のスポーツ局の方にもご家族で『マイスポ』を体験いただき、スポーツの可能性を感じていただく機会となりました。市の取り組みとして『マイスポ』を実施することから、市内にある100校以上の小学校から、それぞれの家庭に案内を配布することができ、QRコードから、誰でも無料で申し込みができるようにしています。小学生とその保護者を中心に、市民の方々に広くスポーツや運動を始めるきっかけが提供できます」
 今後は、スポーツによる健康まちづくりを進める自治体や、指定管理で自治体の体育館やスポーツ施設を運営している事業者とも協業して、スポーツ参加率を高めていくことを目指している。

遠山健太さん 株式会社ウインゲート 代表取締役

将来的には、毎週末日本各地で『マイスポ』を実施して、スポーツ基本計画に則り、スポーツ・運動の実施率を高めていきたいです

2022年「第11回健康寿命をのばそう!アワード」スポーツ庁長官優秀賞受賞

6 件中 1-6

  • 1