掲載日:2021年06月06日  更新:2021年10月07日

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NEXT AWARD トレーナー・インストラクター オブ・ザ・イヤー 2009/2010

フォットネス業界の発展に力を注ぐ指導員を評定する「トレーナー・インストラクター
オブ・ザ・イヤー」がついに決定!各受賞者及びその活動内容を一挙紹介。

小林俊さんのこれまで仕事人生グラフ

インストラクター部門 最優秀賞 魚原大さん

フリーのインストラクターとなって2年半。魚原大さんは自ら率先してインストラクター
のコミュニティを作るなど、早くも関西地区で一目を置かれる存在となっている。圧倒的な支持を得て最優秀賞に輝いた魚原さんの魅力に迫る。

最初の転機となった先輩とのジョイントレッスン

僕のインストラクター人生を大きく変えたのは、何事にも前向きな性格と、二人の先輩との出会いでした。

「10代の頃の僕は少しやんちゃで、実はインストラクターの仕事にもそれほど興味がなかったんですよ」

フリーインストラクターとして大阪で活躍する魚原大さんは、かつての自分を苦笑しながらそう振り返る。インストラクター科がある専門学校に進むも、2年後に中退。そんな魚原さんを変えたのが、21歳の時に中途採用で入った、あるフィットネスクラブだったという。

「そのクラブの利用者というのは年輩の方や体に障害を持った方がほとんどで。そのため、言葉遣いや教え方などをもっと丁寧にしなくてはいけないと思うようになり、人間的にも成長することができたんです」

現在、魚原さんのレッスンはいつも笑いが絶えず、多くのお客様から厚い支持を得ている。その笑顔の根源となっている“何事にも前向きな性格”もじつはこの頃培われた。

「クラブでの活動以外にも僕を変えたもう一つの出来事がありまして。それは22歳の時に親友が病気で他界したことでした。それまでずっと生死と戦い続けていた友人の姿を見ていたら、いつも小さなことで悩んでいる自分がすごくイヤになったんです。それから、どんなことがあっても前向きに楽しんでいこうという考えを持つようになりました」

その後、魚原さんは5年間続けてきたクラブを退職し、自身のパフォーマンス向上全力尽くす道を歩み始める。当初は、エアロビクスのインストラクターではなく、パーソナルトレーナーを目指していたそうだ。

「パーソナルトレーナーになるための準備期間としてエアロビクスのレッスンを始めたのですが、日に日にインストラクターの仕事が本当に楽しく思えるようになってきて。一日も休みがなくても苦にならないほどでした。そんな時に先輩の中井英人さんとジョイントレッスンをする機会があり、それが僕の人生での物事を見る視点を何段階もアップさせてくれました」

業界のトップで活躍する先輩と仕事をすることで、自分の未熟さと視点の違いを痛感したという魚原さん。そして、この出会いを機に、より強くインストラクターとして成功することを思い描くようになったという。

今はとにかく貪欲にいろんなことを吸収したい

08年、魚原さんはさらなるスキルアップを目指し、仲間同士で「FIC(フィットネスインストラクターコミュニティ)」を立ち上げた。ここでは情報交換や登録会員同士のレベルアップの支援などを行っている。

「まずはホームページを作り、会員を募りました。現在は180名以上が籍し、定期的に集まったり、イベントを開催したりしています」

また、こうした活動と時を同じくして、またもや大きな出会いがある。それが魚原さんにとって二度目のターニングポイントとなった。

「竹ヶ原佳苗先生に誘っていただき、海外でワールドコンベンションに参加しました。竹ヶ原先生には『あなたのスキルはまだ未熟だけれど、メンタルが素晴らしい』との評価をいただいたんです。それが自分の中で大きな自信になりました」

とはいえ魚原さん自身は、「まだキャリアが浅いので、今はたくさんの経験を積んでいくことが大事」と話す。今後の展望についても、「あえて明確なビジョンを持たず、いろんなことを吸収していきたい」とも。

「ただ、あえて目標を挙げるなら有名になりたいと思ってます。というのも、FICを立ち上げ、僕が代表として大阪のフィットネス業界を盛り上げようと動き出した時、無名だった僕の後ろをついてきてくれる方がほとんどいなかったんです。つまり、発言に説得がある地位にまで自分がたどり着かないと、大きな変革は成し遂げることができないと痛感したんですね。海外に目を向けると上に立つ人たちはやはり同業者たちの憧れの存在であることが多い。僕もそこに少しでも近づき、この業界を盛り上げていく一端を担える人間になりたいと思っています」

魚原大さん
Dai Uohara
フリーインストラクター。現在大阪で、FIC(フィットネスインストラクターコミュニティ)の代表を務め、フィットネス人口の拡大やインストラクターの支援などに力を入れている。最近の主な活動に、イギリス、スペインでのワールドコンベンションの参加や、国内では「ミズノフィットネスホットライン」への参加などがある。今後も海外でのプレゼンが内定している。

受賞理由
●登録数180人というFIC(フィットネスインストラクターコミュニティー)を主催し、インストラクター活動の向上を率いている。
●自らが積極的に行動し、インストラクターとしての活動と、ブランディング・PRのバランスがとれている。

Must Item
CDケース。養成コース卒業の際、先生方から頂いたもの。今も大切に使っています。

写真
①2008年秋、中井英人インストラクター主催イベント「ビタースイート」に参加。左から(魚原さん・中井英人さん・藤野慎士さん・早川大補さん)

②2008年夏、FICを設立した頃のメンバーの写真。FICでは、定期的にセミナー・イベント・交流会を実施している。現在、登録インストラクター180名。

③2009年3月、竹ヶ原さんとイギリス(ブラックプール)のコンベンションに参加。「竹ヶ原先生との出会いは、大きく人生が変わる契機に」

④養成コースが終わった時のプレゼント。「とても嬉しかった。今でも大切に保管しています」