東川町（北海道）は、旭川空港から車で10分程度の場所にある、「写真の町」として知られる町。地方創生の数々の取り組みで注目されている人口8,500人の町で、移住者や留学者で人口が増え続けている。

R-bodyコンディショニングコーチの小野寺未来さんは、中島秀雪さんとともに、2020年7月に地域活性起業人として着任。教育委員会生涯学習推進課に所属して、コンディショニングを通じた健康なまちづくりを進めている。

2023年4月現在、町内各所で、月100本以上のコンディショニング講座を提供。累計参加者は9,000人を超え、町民の方のコンディショニング参加率は確実に増えている。

2023年4月からは、スポーツ庁・早稲田大学の研究チームと連携したコンディショニング効果に関する実証実験がスタート。東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとして「コンディショニング」を遺す取り組みが進行している。

小野寺さんは、コンディショニング講座を担当し、参加してくださる方々一人ひとりと、丁寧にコミュニケーションをとりながら、コンディショニングの意味や効果を確実に届けている。

「 最初は、『コンディショニング』を浸透させるため、『肩こり腰痛改善体操』という馴染みやすい言葉を使うようにしました。ただ、R-bodyでは『ホンモノを身近に』ということをコンセプトにしているので、『コンディショニング』という言葉や、機能解剖学や運動生理学の専門用語も使いながら、確かな知識を伝え、ホンモノを体感してもらえるようにしています。そのエクササイズをする理由や正しいフォームについても、参加者一人ひとりに伝わるように伝えることを意識しながら進めています」

また、小野寺さんたちが着任してすぐに、東川町役場の職員の方々にコンディショニングクラスを体験してもらったことも、町民の方々との接点を大きく拡げる要因になったと振り返る。より多くの方にコンディショニングを届けるために、毎月全世帯に配布される町の広報誌に「コンディショニング通信」の掲載や、ジムエリアにあるホワイトボードにもカラダについての知識を掲載し、コンディショニングに触れる機会を作っている。
また、この町の広報誌とともに、月々の講座スケジュールが全世帯に配布され、町の情報が集まる東川町アプリのイベントカレンダーから参加予約ができることも、コンディショニング講座への高い参加率に繋がっている。

東川町では、2023年7月に全世代が交流するコミュニティセンターとして「共生プラザ」がオープンし、そこにコンディショニングルームも併設される計画だ。

トレーナー育成の「R-body ACADEMY 」を一般の方向けに改良した学習型の運動教室。

R-body ACADEMYは、コンディショニングコーチの養成プログラムで、カラダの機能に関する原理原則を学び、「動作を見極めるカ」「相手に正しく伝える力」を養うことで、即戦力のコンディショニングコーチを養成するカリキュラムになっている。

また、エクササイズのやり方を動画で撮って持ち帰ることを促しており、各自で実践しやすい環境へ繋げている。
講座に参加している町民の方々は、トレーナーのように、他の人にもエクササイズの効果から正しいフォームまでを伝えられるようになることが、「R-body 」や「コンディショニング」が口コミで広がる背景にある。

野球、サッカー、バスケットボール、チア、バレーボール、クロスカントリーなど、少年団の練習前にコンディショニング講座を提供。指導者や保護者にも一緒に参加してもらうことで、家庭でも親子でコンディショニングが継続できるよう配慮している。

65歳以上の方が利用することができる施設「いきいきセンター」。
社会福祉協議会のスタッフが東川町の4つの施設に週1回出向き、運動や脳トレ、レクリエーションを行う取り組みを行っている。参加される方からは、「姿勢がよくなった」「段差につまずかなくなった」「腰痛が改善した」など、継続することでカラダの変化を感じている。

備品やレイアウトは、R-body大手町店や柏の葉店を参考にトップアスリートも活用するようなトレーニング環境が町民向けに提供されている。